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ひめてん〜姫と天使と悪魔と猫〜  作者: こーちゃ
第ニ章 全てはゲーム機の為に
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第2話 いや似てるけど‼︎

 コロッセオ風の建造物の前を通りかかるユーキとメルク。


「うわー! 大っきい建物! ねえメル君、あれ何?」

「あれは闘技場ですよ」

「闘技場?」

「ええ、主に魔装具使い達があそこで腕試しや鍛練の為に闘ってるんです……大体どの街にもありますよ」「へえー、面白そう」

「ご覧になりますか?」

「うん、見てみたい!」



 入り口横の掲示板を見るユーキ


「ええと、何々? 参加資格は魔装具を使える事のみ……それ以外は年齢、性別、レベル等は一切問いません……飛び入り参加自由‼︎ だって⁉︎ じゃあ僕達でも出れるんだ……メル君、出てみる?」


「あ、いや……実は僕……魔装具は持ってますが、そのー、まだ魔装が出来ないんです……」

「え、そうなの⁉︎ あ、えと……何かゴメン……」

「いえ……」


 気まずそうにうつむく2人



 ふと掲示板に貼ってある景品欄の中の1枚の写真が目に映り、バッと食らいつく様にその写真を見るユーキ。

 そこには見覚えのある某有名携帯ゲーム機らしき物が写っていた。


(まさかこれって……ニン◯ンドー3◯S……? 微妙に違うような気も……名前は? ニテンドー3GS?)

「いや似てるけど‼︎」


 写真にツッコミを入れているユーキを見て。


「どうしたんですか、ユーキさん? ああ、3GSですか……こんな地方じゃ中々レアですよ」


「メル君知ってるの?」

「ええ、知ってます」

「これってゲーム機?」

「ええ、そうですよ」

「マジかー」

「マジですぅ」



 ふと考えるユーキ。


(えっと、これってどういう事だ? 向こうの世界の物だと思ってたのが実はこっちの世界にも存在してて、元々知ってたから詳しく覚えてたとかゆう、そういうあれか?)


 色々な可能性がユーキの頭の中に浮かんだが、そのうち考えるのが面倒くさくなり。


(えーい、もう! ややこしい話はいい‼︎ 今はとにかくこれをゲットしたい‼︎)


 答えは簡単だった。


「ねえメル君、これってどうやったらもらえるの?」

「あ、はい、今回は勝ち抜き戦みたいなので、1人の選手が連続して5人の相手選手に勝てば、副賞として貰えます」


「景品って自由に選べるの?」

「あ、いえ……初めに景品が提示されて、それを欲しい人達が参加します……それで5人抜き達成者に賞金と景品が授与され、次の対戦にはまた別の景品が提示される、という具合です」


「じゃあもう出ちゃったのかな?」

「いえ……レアな景品ほど後になって出て来ますので、このゲーム機なら相当後ろの方に出て来ると思います」


(そっか……まだ可能性はあるんだ……)

「メル君! 早く入ろ‼︎」


 走って行くユーキ。


「あ、待ってください、ユーキさーん!」



 闘技場の中は真ん中に闘うスペースがあり、その周りを囲うように円形に客席が配置されている。


「うわー、結構広いねー……屋根は付いてないんだ?」

「ええ、自然の力を利用する魔法が多いですから、その為の配慮なんです」

「ああ、なるほどね」



「ザッコス選手4人勝ち抜き成功ー‼︎ さあ最後、5人目の相手は槍の魔装具使い、ゼンザー選手だー‼︎ ザッコス選手、ゼンザー選手を倒して見事5人抜き達成なるかー‼︎ 今回のオッズは6対4! 投票の締切は15分後です! みなさま、ふるってご参加下さい‼︎」


 正面の巨大スクリーンに選手の顔や情報が表示されている。


「投票って?」

「勝つと思う方の選手にお金をかけるんですよ……当たれば相応の配当金が貰えます」

「お金かけるんだ?」

「ええ、でも未成年は投票出来ませんから、僕達は参加出来ませんね」


「え? 未成年?」

「あ……えと……ユーキさんの実年齢は分かりませんが、その見た目じゃいくらおっさんだって言っても信じてもらえませんよ……ハハ」

「まあ、そうだよねー……」


 落ち込むユーキ。


「ま、まあ、僕達は純粋に闘いを楽しみましょう」

「うん、そだね」




「この辺からユーキの匂いがするわ」

「犬もビックリだよ、パティ君」


 闘技場の近くまで来ているパティとアイバーン。


「もう一度やってみる……ウェイブソナー!」


 再び探知を始めるパティーーーーーー



「居た! あの闘技場の中よ!」

「あの大勢の人の中から探し当てたのか? 凄いね」

「昨日ユーキが寝てる間に何度も試して、ユーキの魔力の特徴はバッチリ覚えたのよ」

「夜中にトントンと音がしていたのは君だったのか⁉︎ 私はてっきり霊的な何かかと思っていたよ……まあおかげで、涼しい夜を過ごさせてもらったがね」


「さあ、突入するわよ! アイ君!」

「穏便に頼むよ、パティ君」


「ユーキ……目立つ事してなきゃいいけど……」

「ユーキ君もそこまでバカではないさ」




「……ナイン‼︎ ……テン‼︎ ゼンザー選手立てません‼︎ これによりザッコス選手、5人抜き達成ー‼︎」


 拍手と歓声が沸き起こる闘技場。


「見事勝ちましたザッコス選手には賞金100万ジェルと、副賞としましてお米50キロが送られます‼︎」


「お米……結構庶民的……」

「地方の街だとお米も貴重ですからねー」



「さあ、それでは次の対戦に移りたいと思います! その副賞はー‼︎ 遥かノインツ大陸より取り寄せた超レアな携帯ゲーム機、ニテンドー3GSだー‼︎」

「出た‼︎ メル君、僕ちょっと行ってくる!」

「え⁉︎ 行くってどこに? ちょ、ちょっと待ってください! ユーキさーん‼︎」


 闘技場に降りていくユーキ。



「お? お嬢さん、飛び入り参加ですか?」

「うん」

「魔装具は……持ってますね、オーケー! ではあちらで紹介用の簡単なプロフィールを書いてください」

「あっちだね? 分かった」



「冗談だと思ってたのに、本気で参戦するつもりだったなんて……ああ、どうしよ……パティさんに怒られるかな? 止めた方がいいかなー?」


 メルクがオロオロしているとーー


「見つけた‼︎ メルク‼︎」


 いきなりの大声にビクッとなるメルク。


「パ、パティさん? アイバーン様も……」


 つかつかと寄って来て、メルクの胸ぐらを掴むパティ。


「メルク! 今すぐにユーキを返しなさい! そうすれば命だけは助けてあげるわ!」

「物騒だよパティ君」


「さあ、ユーキはどこ?」

「あ、えと……ユーキさんなら……」


 そう言って闘技場の方を指差すメルク。




「さあみなさん、ご注目ください‼︎ 次の挑戦者はー! 超絶美少女! 魔法使いユーキちゃんだー‼︎」






「あ、あのおバカ……」



 呆れるパティであった。




すぐに次の街に行こうかと思ったんですが、今のままだとユーキがすぐに死んじゃうなと思ったので、ユーキに少し戦闘経験を積ませたいと思います。

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