シェリー=ローズ②
ブクマ、感想お待ちしております。
宜しくお願いします。
「え? 何者というのはどういうことですか?」
何が何だか理解できない様子のレイ。
「違う、あなたに聞いているんじゃないの。そのかわいらしい少女に聞いているのよ!!!!」
「私ですか? 私はレイ様の精霊のペルでございますが」
突然訪ねられてビックリしているペル。
そんな事はお構いなしに話を進めるシェリー。
「あなた…本当に精霊なのね?」
鬼気迫る形相のシェリー。
「そうですが、なにか?」
不愉快そうな顔をするペル。
それもそのはず、突然自分の存在自体を疑ってきたのだから。
それに気付いたのかシェリーは、
「ごめんなさいね突然、私の名前はシェリー。よろしくね。さっきのは私の勘違いみたい」
突然謝ってきたシェリー。
「僕はレイです、そしてこっちは僕の精霊のペルです」
ペルを指さすレイ。
「どうも」
不承不承といった感じでお辞儀するペル。
「よろしくね、レイ、ペル。それに本当にごめんなさいね、お詫びといちゃなんだけど今日は私が奢るわ! ほらここに座りなさい」
空いている丸テーブルに腰を掛けながら、レイたちにも座るように促すシェリー。
「失礼します」
レイとペルは空いている席に座る。
「ほら、好きなもの食べて!」
「好きな物って、、、ここってAセットとBセット以外にもメニューがあるのですか?」
不思議そうに質問するレイ。
「Aセット、Bセットというのは宿に泊まった人のメニューよ。ここは酒場でもあるのよ」
やっぱり、ここ酒場でもあるんだ。
「宿に泊まっている人も、追加料金を払えば他のメニューの注文もできるわよ。ちなみに私のお勧めは串焼きよ」
自慢げな表情のシェリー。
((((こんなことで自慢げになるなよ))))
この時シェリー以外のお客さんの心が一つになった。
「それでは、お言葉に甘えて。ペルは何を注文する?」
「私はマスターと同じものでお願いします」
「了解っと、すいませんーー」
手をあげながら店員を呼ぶレイ。
「はいー、ただいまー」
小走りで来る受付の女の子。
「なんでしょうか?」
「すいません、串焼きを二人前追加で、それと先ほど向こうの席で注文したのですがこっちに移動しますので」
「かしこまりました。では」
お辞儀をして颯爽と去っていく。
「ところであなたたちはこんなところで何をしているの?」
「私たちは旅をしているのです」
「旅?みたところレイはまだ10歳にも満たないと思うんだけど…」
不安げな表情のシェリー。
「まあ僕たちにも色々と事情がありまして…」
言いづらそうなレイの表情を見てシェリーは、
「そうなの、詮索してごめんなさいね」
「いえ、気にしないでください」
少し気まずい雰囲気になってしまった。
その時、「おまたせしました、Aセットをお持ちしました」
レイとペルの料理が届いたのだ。
グッジョブ、そしてありがとう、受付の女の子。
内心でレイは受付の女の子にお礼を言った。
その後、レイたち三人はたわいもない話をしてその日は別れた。