漆黒の剣精霊
声のした方へどんどんと進んでいくレイ。
「確かこっちの方から聞こえたと思うんだけど...」
と言いながら歩いているとレイはふとある光を見つけた。
「なんだろうあの光は、あそこから声がしたのかもしれない」
レイは駆け足でその光へ近づいていく。
そこには一振りの漆黒の長剣が刺さっていた。。
「これは.......剣精霊なのか?.....」
その瞬間瞬間、
「あなたは...誰ですか?私は誰ですか?」
とどこからともなく声がした。
「え?今の声はどこから。まさか、この剣が喋ったのか?.....」
その瞬間剣が発光した。
そして目を開けたレイの前にはこの世のものとは思えないほど顔が整った銀髪の少女が立っていた
「話したのは私です。もう一度問います。あなたは誰ですか? 私は誰ですか?」
「僕はレイ=ランベルト。君のことは知らないや。ごめんね。でもさっき君、オスカー様とか何とか言ってなかった?」
と言いながら首をかしげるレイ
「オスカー...? なんだがとても懐かしい響きな気がします。しかし、何故だかわからない。それより、あなたは私と契約しに来たのですか?」
「そっか.....。契約??? いや、そういう訳じゃないんだけど...僕と契約してくれるの?」
「あなたが望むなら私はあなたと契約しましょう」
と手を差し出す謎の剣精霊。
その手を取りながらレイは、
「僕と契約して欲しい。いついかなる時も僕と共に歩んで欲しい」
「かしこまりましたマスター。では契約の義を行います」
「契約の義?」
首をかしげているレイに検精霊は、
「高位精霊との契約は口と口を合わせること。要するにキスです」
「キスっ?!?!」
と顔を真っ赤にするレイ。
それを無視しながら剣精霊は
「儀式の前に私に名前を付けてくださいませんか?」
「名前かぁ、実は君を見た時から何故だか頭の中を駆けめぐる名前があったんだそれは……」
深呼吸をするレイ。
「それは?」
「それは……ペルセフォネ。略してペルだ」
「ペルセフォネ?……ペル……うん、私もなんかしっくり来ます。では契約の義を」
と言いながらレイを正面から見るペル。
「うん、じゃあ行くよ。ごホッ」
咳払いするレイ。
『我はここに請願する、いついかなる時も我と共に歩みを進めることを。我、レイ・ランベルトの名のもとに我と契約せよ』
「イエス、マイマスター」
二人の唇が重なる。
その瞬間世界が真っ白になるほど光った。
「これから宜しくお願いします。マスター」
「こちらこそよろしくね、ペル」
ここからレイの壮絶な戦いは始まるのだった。