【ポッキーの日記念作品】衝撃を受けるお嬢
11/11はポッキーの日である。私は女子校に通っていた。当然、男縁が無かった。当然、恋愛などもせず慎ましい高校生活を送っていた。毎日勉強と部活に熱心に取り組んでいた。
それしかやることが無かった。クラスには数名ほど女子生徒同士で付き合っている生徒がいて、それを気持ち悪いという人も居なかった。
昼休みに「ねぇ、真里。今日ポッキーの日だよ。ポッキーゲームしよ?」
「ねぇ、ポッキーゲームって何?」私は彼女に尋ねる。
「あら、そんなことも分からないの?真里。真面目なんだから。勉強しかしないで。」
お恥ずかしい。もう高2にもなるのに世間の常識にも対応出来ないとは。小論文に出たらと思うとまだまだ知識不足だなと思った。
「ごめんね。私、疎いからさ。」
「もう、仕方ないわね。ポッキーゲームというのは…」
なんと破廉恥なことだろう!私はその話を聞いて青ざめてしまった。我が堂上家の存亡に関わる。
ポッキーゲームというのは、既に知っている方も多いが、二人が向かい合って両端からポッキーを食べ合う。そんな不謹慎な事なんて出来るわけ…
「ねぇ、良いでしょ?真里。ねっ、ねっ。」
「な、何よ。私達、その女同士じゃん。よく、分かんないけど…やめといた方がいいんじゃない?」
「皆やってるよ?ほら。」
不運なり。堂上家の看板が崩れゆく。周りの女の子達は、ポッキーゲームでイチャイチャしている。
「行くよ。真里。」
お互いに両端に口を付けてカリカリと食べ合い、遂に彼女の唇にぶつかった。一瞬青ざめて呆然としてしまった。初めて女の子とキスをしてしまった。そして罪悪感を感じた。
「あっ!ヤダ、私ったら。」
「カマトトぶっても無駄だよ。」彼女はにこやかな天使のように笑みを浮かべてこちらを見てくる。
「やめてよ。もう。」
午後の授業は恥ずかしさを堪えながら受けた。
そして悪夢の授業が終わり、徒歩で帰った。
途中、カップルがポッキーゲームを白昼堂々しているカップルがいた。
通り過ぎようとした矢先、「おい、テメェら。白昼堂々イチャラブしてじゃねぇぞ、ゴラ!その女、俺に寄越せ。」ヤンキーが絡み始めた。
「テメェ、俺が女じゃないって分かんねぇのか?」
「あっ!す…済みません。俺が間違えました。サーセン。」
ヤンキーは走り去っていった。
「また見てはいけないものを見てしまった。」真里はつぶやいた。
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