1話
「ノエル、頼みがある。」
「なに?」
少しだけ警戒しつつ叔父のチェレンに、返事をする。
「実はな、神獣達の気配が最近無いんだよ。」
「気配が無いって、大変なことじゃないの?!」
ノエルの家系は代々神聖なる神々の主として人々を守ってきた。
「探しに行きたいのだが、私はここから離れない。
だから、ノエル神獣たちを探してきてくれ!!!!」
神々の主は、一度決めた土地から出てはいけないという定めがある。
しかもチェレンは、妻を早く亡くし、子供はいない。
姪のノエルにしか頼める相手がいなかったのである。
「探しに行くっても、私は…」
ノエルは、力は持っているがとても強い力なので使うのをあまり好まなかった。
「頼む!
もし、何者かに囚われていたら大変なことになる。」
「分かった。
私が、行ってくる。」
そして、現在オリビィア首都………
情報収集をするため、チラシなどを見てると
「なぁ、聞いたか?
この首都って、雷獣を捕まえたみたいだぜ。
しかも、そいつの電気で儲かってるみたいだ。」
「?!」
神獣を掴まえるのは、禁じられているはずの首都が、雷獣を捕まえているのは普通考えてもおかしい。
ノエルは、「ジャンプ」と言うと風の力で、高く空に飛び上がる
目を閉じて、神獣の気配を探ると一つの家にたどり着いた。
そっと、窓から覗き混む。
「雷獣の、お陰で儲かったたな。」
(ここで、あってた。)
空間を作り出すとその中に入り込んだ。
すると、目付きの鋭い少年が、鎖で繋がれていた。
「大丈夫?」
「誰だ?」
「私は、姫巫女の力を持つもの。
叔父チェレンに頼まれて貴方を助けに来た。」
「アイツの姪?」
「鎖をはずすから。」
手を鎖に当てると、ガチャリと外れた。
「今のうちに逃げるよ。」
「侵入者発見。
雷獣のもとに全兵士を送り込め!」
「あー、来ちゃったか。
雷獣、貴方は力は残ってる?」
「一応な。」
「居たぞ!
捕らえろ!!」
「あんたバカ?
私こんなの見つかって無事ですむと思ってるわけ?」
「ふざけるな。
ただの小娘に何ができる?」
「私は姫巫女よ?
あんたを殺すのぐらい楽勝よ。」
一人の兵士が勇気を振り絞りノエルに襲いかかる。
ノエルはスッとかわし、
「ライジングウェーブ!」
電流の波が兵士たちに襲いかかる。
兵士たちは、感電死で死亡。
主は、顔を青ざめ震えていた。
「さてと、あんたはどうされたい?
出頭する?それとも私に殺される?」
「し、出頭します。」
「今すぐこの場から、消え失せろ。」
ノエルは吐き捨てるように言う。
その姿は、まさに神々しかった。