2話-兄
蘭が来てから変わったことがたくさんある。
まず部屋。今までいた部屋を返して、また新しい部屋へと移った。前より広い部屋だ。
そして、お金も…。
俺のところに来る客はいつも上客で少なくても一人十万、多い時には五十万や六十万…それ以上なんて時もあった。そんな相手を2、3人するから最低でも一日三十万は手に入る。
だけど、蘭もなかなかの客を捕まえてお金を手にしてる。話を聞く限りでは蘭はお金によって決めてるらしいがそのせいか、ここ最近では少なくても十五万は手にしてくるようになった。
「蘭、ご飯できたけど」
「んー…蘭兄ぃ…起こしてぇ…」
この甘えっぷりだ。確かに昔から寝起きはよく甘えてきたが…何だか、色気が増している気が…?
大体俺がゲイだとわかっていて泊まり、住むなんていうぐらいだから稼げるとは予想していたが…。
「叩くぞ」
「もうちょっと…優しく起こしてくれてもいいんじゃない…?」
優しくしたらつけあがると知っているから俺は無視をする。
そしたら、ついてくるんだ、可愛いよな。
朝ごはんを食べて、他愛もない話をして、昔に戻ってきたみたいだった。
母親には呆れと憎しみしかないけど、これだけは、蘭を産んでくれたことだけは、感謝している。
「凛兄ぃ…寒い。」
「あぁ…冬だからな」
「つめたっ!凛兄ぃって外面いいけど俺に冷たいよね。」
蘭が拗ねてTVに食いつくようになる。
まぁそれは別に構わない、どうせ構うから。
そして俺は蘭の隣に行き頭を撫でる。
ごめんな、そう言うと蘭はデレたように言う。仕方ないな…と。