表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

その始まり


「いってきます‼」


ミツキ=セントラルはいつでも、明るく元気に暮らす17歳。


ごく普通に、ごく普通の家庭で仲の良い両親の下で育っていた。

…ただし、財力がものを言う貴族社会で貧乏と言うのはマイナスだった。…それでも両親の、一日暮らせるだけのお金と笑顔があれば幸せに暮らせるんだ。という教育の賜物なのかミツキは笑顔であったが。


「いってらっしゃい、ミツキ。気を付けてね。」


送り迎えの執事さえ雇えるお金もないセントラル家。徒歩で学校へ向かうミツキを玄関から見送る両親の声に背中を押されるようにミツキは大きく一歩を踏み出した。




いい気持ち…毎朝同じ道を同じように歩いて登校するだけではあるが、ミツキはこの時間が大好きだった。




ただし

「まぁ、またよ。」

「毎日お可哀想ね。」

「送って差し上げます?」

「まぁ、ご冗談を。あんな没落貴族を私たちの車に乗せて差し上げるなんて。」

おほほほほ…

なんて会話が耳に入るまでの束の間ではあるが…


あれはカーノ家の姉妹だな。

声だけでわかってしまう位に毎日悪口を言われているせいか、悲しみは感じないが、ムカつくものはムカつく。

あっかんべー、と走り去る馬車に見せ付ける。自己満だけど。



それからのどこからともなく聞こえてくる悪口はどこ吹く風で歩いていると、

貴族の中でも高位に居るカーノ家の馬車よりもはるかに高級そうな馬車の音が聞こえてきた。


またか…さっきの悪口姉妹の時とは違う溜め息が出そうになる。でも、勘違いかも…そう自分に言い聞かせて、平然と歩く振りをする。


まぁ、無駄なことなんだけど。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ