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教えてGemiヱもん  作者: 怠けたい


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80.【雑記】企業による国家の超越と「企業戦国時代」の到来

 歴史の転換点において、国家という枠組みは決して絶対的なものではない。かつて国家の最大の役割は、税を徴収する代わりに領土内の治安を守り、対外的な脅威から国民と経済活動を保護することにあった。しかし現代、国家がその責務を単独で果たせなくなりつつある一方で、巨大企業が経済的利益を追求する過程で自立し、結果的に国家の機能を代替し、超越していくシナリオが現実味を帯びている。


過去の経緯:企業が国家として振る舞った歴史


 企業が国家を凌駕し、独自の統治機構を作り上げた事例は、歴史上に明確な前例が存在する。その代表が17世紀から19世紀にかけて活動したイギリスの東インド会社である。

当初、東インド会社は国家から独占貿易の特権を与えられた営利企業に過ぎなかった。しかし、植民地での利益を最大化し、現地の反乱や競合他社から自社の権益を守るため、自前の軍隊(傭兵)を組織し始めた。最盛期には当時のイギリス正規軍の規模を上回る大軍を擁し、現地で独自の通貨を発行し、徴税を行い、他国と戦争や条約の締結まで行っていた。国家が自国の利益のために企業を支援して植民地を広げた結果、企業自身が軍事力と経済力を備えた「国家そのもの」へと変貌を遂げたのである。

また、日本の平安時代後期に生じた荘園から武家社会への移行も、これと全く同じ軌跡を描いている。中央政府(朝廷)の統治能力が低下すると、有力な貴族や寺社は独自の経済圏である荘園を築き、国家からの課税や警察権の介入を拒否する特権を得た。そして、この私有財産を自力で防衛するために武装した集団が武士団となり、やがて中央政府の力を上回り、自ら土地を支配して覇権を争う戦国時代へと突入していった。


現在の状況:インフラの依存と国家の機能低下


 現代に目を向けると、この「国家と企業の逆転現象」の土台はすでに完成しつつある。かつては国家の専売特許であった宇宙開発、高度な通信網、そして経済活動の主戦場であるサイバー空間のインフラは、少数の多国籍プラットフォーム企業の手に握られている。

国家は巨額の財政赤字を抱え、新しい技術の開発スピードにおいて完全に企業に取り残されている。現代の局地的な紛争においてすら、一民間企業が提供する衛星通信の接続状況が、国家の正規軍の作戦を根底から左右する事態が起きている。国家が自らの領土や国民の生活を維持するために、特定の巨大企業のインフラと規約に依存せざるを得ないのが現状である。


未来予測:チョークポイントの私兵化と社会契約の消失


 今後、この力関係の逆転を決定づける引き金となるのが、世界的な物流の要衝チョークポイントにおける防衛の民営化である。

例えばホルムズ海峡において、中東情勢の悪化により武装勢力の攻撃が常態化し、各国海軍が「自国の商船の安全を保証できない」と撤退したとする。原油価格が高騰する中、莫大な利益の機会を前にした巨大企業は、黙って物流が止まるのを見過ごしはしない。彼らは自社のサプライチェーンを守り、ライバルを出し抜いて資源を運ぶため、最新鋭の装備を持った民間軍事会社(PMC)と巨額の契約を結び、自衛用の私設艦隊を組織して通航を強行するだろう。

もしこの「企業による私兵の行使」によって世界経済の血流が維持された場合、国際社会はそれを非難するどころか、必要悪として黙認せざるを得なくなる。そして、企業側も気づくはずである。高い税金を払っても自社の船や拠点を守ってくれない国家に見切りをつけ、その莫大な資金を直接、自社専属の防衛部門の維持と拡充に投資する方が合理的であることに。


結論:企業間戦国時代の幕開け


国家による保護が機能しなくなれば、企業は自らの縄張りを自力で守るしかない。資源の採掘権、海上や宇宙の輸送ルート、そしてデータを蓄積する巨大なサーバー群といった「現代の荘園」を維持するために、企業は強力な私兵団を常設するようになる。

同時に、財政破綻や少子高齢化で治安や医療を提供できなくなった国家の代わりに、巨大企業グループが自社の従業員やサービスの利用者にそれらを提供し始める。人々は、もはや形骸化した国家の国民であることよりも、特定の強大な企業経済圏に属し、その恩恵と保護を受けることを選ぶだろう。

こうして国家という境界線は消滅し、独自のインフラと軍事力を持った巨大企業同士が、自らの経済圏の拡大と防衛を求めて同盟や敵対を繰り返す、新たな「企業間戦国時代」が到来するのである。


水星の魔女の世界観も国家同士の争いよりも企業間の争いって感じだったね。まさにあんな感じ。


その前段階のPMCの台頭が鉄血の世界観やXのバルチャーって感じか。

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