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教えてGemiヱもん  作者: 怠けたい


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【MLBビジネス解剖】人口動態と地政学で読み解く「球団の生存戦略」

本文AI

MLBの球団経営は、その土地に住む「誰を客にするか(人口動態)」によって決定づけられる。

移民の熱狂をエネルギーにする「海岸部」、古き良き伝統を重んじる「中西部」、そしてグローバルブランドとしての「帝国」。

そのコントラストを、マーケティングと経済圏の視点から紐解く。


1. ニューヨーク:「帝国」対「市民」のブランド戦争

同じNYでも、ターゲット層とブランドの作り方は真逆である。


ニューヨーク・メッツ (NYM) 【NL】

戦略モデル:「クイーンズのラテン帝国」

ターゲット人口:

【カリブ海系移民ドミニカ・プエルトリコ

分析:

圧倒的なブランド力を持つヤンキースに対抗するため、地元クイーンズ区の人口マジョリティである「ラテン系移民」の熱狂を独占するランチェスター戦略を採用。

フアン・ソト(ドミニカ)とリンドーア(プエルトリコ)の獲得は、ヤンキースという「権威」に対し、メッツが「俺たちの代表(市民の王)」になるための政治的決断。


ニューヨーク・ヤンキース (NYY) 【AL】

戦略モデル:「グローバル・コーポレート・ブランド」

ターゲット人口:

【富裕層・観光客・全米の保守本流】

分析:

メッツが「特定の移民コミュニティ(ラテン)」に深く刺す戦略なら、ヤンキースは「世界中の誰もが知るブランド」として広く浅く、かつ高く売る戦略。

スタジアムのあるブロンクスはヒスパニック街だが、マーケティングの主眼はそこではなく、「ピンストライプの伝統」に金を払うマンハッタンの金融エリートや観光客にある。

ジャッジ(生え抜きの米国人スター)を象徴に据え、「人種を問わないアメリカの成功の象徴」として君臨する。



2. テキサス&南部:変貌するアメリカの縮図


ヒューストン・アストロズ (HOU) 【AL】

戦略モデル:「データと多民族の融合ニュー・サウス

ターゲット人口:

【ベネズエラ系を中心とした多国籍層】×【理系エリート】

分析:

ヒューストンは今、NYやLAを凌ぐ勢いで「全米で最も多様な人種が混ざり合う都市」となっている。

アルトゥーベ(ベネズエラ)という絶対的な英雄を中心に、中南米コミュニティの支持が厚い。

同時に、NASAのお膝元らしく徹底的な「データ野球」を掲げ、感情論よりも合理性を好む新しいファン層(テック・エネルギー産業従事者)とも合致。「悪役ヒールになっても勝つ」という姿勢が、地元の一体感を生んでいる。



3. 西海岸:アジアとラテンの「ハイブリッドと歪み」


ロサンゼルス・ドジャース (LAD) 【NL】

戦略モデル:「環太平洋のブラックホール(アジア偏重)」

ターゲット人口:

【日・韓のアジア系】×【メキシコ系移民】

分析:

大谷・山本(日)、キム・エドマン(韓)を擁し、LAのアジア経済圏を完全掌握。

【課題】:一方で、LA人口の最大多数を占める「メキシコ系コミュニティ」の象徴が現在のロスターには不在。アジア枠は飽和状態だが、ヒスパニック層を繋ぎ止めるための「メキシコ枠」が空白となっており、マーケティングのポートフォリオに歪みがある。


サンディエゴ・パドレス (SD) 【NL】

戦略モデル:「国境のエンターテインメント」

ターゲット人口:

【ヒスパニック(メキシコ系)】

分析:

地理的にメキシコと経済圏が一体化しているため、アジア戦略よりもラテン戦略に全振りしている。

タティスJr.やマチャドといった「ラテンの伊達男」を揃え、ドジャースが取りこぼしているメキシコ・中南米層の受け皿として機能している。


サンフランシスコ・ジャイアンツ (SF) 【NL】

戦略モデル:「デモグラフィックのミスマッチ」

ターゲット人口:

【シリコンバレー富裕層】&【中国系移民】

分析:

全米最大級のチャイナタウンを持つが、野球文化が薄いため集客に直結しない。

「左打者に不利な球場」という構造欠陥が、アジア系スターの獲得を阻害。カネはあるが、人口動態を熱狂に変えられないジレンマを抱える。



4. 中西部:伝統と血統の聖域


セントルイス・カージナルス (STL) 【NL】

戦略モデル:「ベースボール・ヘブン(伝統の継承)」

ターゲット人口:

【ネイティブ・ボーン(伝統的な白人層・保守層)】

分析:

移民マーケティングとは一線を画し、何代にもわたってその土地に住む「生粋のアメリカ人」が主要顧客。

「The Cardinal Way(カージナルスの流儀)」として、生え抜きの育成と品格を売りにしており、流行り廃りに左右されない強固なブランドロイヤリティを誇る。



まとめ

NYYは「権威と世界」を、NYMは「地元の熱狂」を見る。

LADは「アジア」を取り、SDとHOUは「ラテン」と共に生きる。

STLは「伝統」を守る。

MLBの球団経営は、その都市が「誰によって構成されているか」を映し出す鏡である。

2026年、各球団がどの層に向けてメッセージを発しているか(誰をスターに据えているか)に注目すると、ビジネスの意図が透けて見える。

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