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教えてGemiヱもん  作者: 怠けたい


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43/58

43.【雑記】2026年:核の傘が揺らぐ時代の「抑止と拡散」の論理構造

1. 究極の矛盾:抑止の心理的・構造的メカニズム


核兵器の本質は破壊ではなく、相手の行動を縛る**「心理的抑止」**にあります。一度でも使用されれば、1945年以来維持されてきた「核のタブー」が崩壊し、使用国は国際社会からの生存権を剥奪されるに等しい制裁を受けます。この際、他の核保有国には、システムの崩壊(核使用の成功体験化)を防ぐという名目で、核報復や通常兵器による徹底的な物理的破壊を行う論理的正当性が与えられます。

つまり、核は**「使えば自分も終わる」という相互確証破壊(MAD)**の構造によって、これまで「使えない兵器」として機能してきました。この均衡は、全当事者が「報復は必ず実行される」と信じることでのみ成立する、極めて脆い信頼の上に成り立っています。


2. 国家の生存を分ける「生存の天秤」


非核保有国が核武装を選択するか否かは、感情ではなく、冷徹な**「生存の天秤」**の傾きで決まります。

* 天秤の左皿(核保有のコスト): 国際的な経済制裁によるネットワークからの遮断、外交的孤立、莫大な管理・維持予算、および事故やテロによる内部リスク。

* 天秤の右皿(非保有のリスク): 核保有国からの理不尽な恫喝、通常兵器の格差による侵略、および国家の物理的な消滅。

1994年のブダペスト覚書で核を放棄したウクライナの現状は、後者のリスクを世界に可視化させました。大国の保証という「外部依存の安全」よりも、自前の抑止力という「自律的な安全」の方が生存確率を高めるという判断が、構造的に優位になりつつあります。


3. システム防衛と「同盟なき介入」の論理


たとえ強固な同盟関係がなくとも、核保有国が第三国への核攻撃に対して沈黙を守ることは困難です。もし核による現状変更を一度でも許せば、「核を持てば何でもできる」という前例が確定し、既存の核不拡散体制(NPT)は即座に崩壊します。

これは、既存の核保有国が持つ「核独占の優位性」を喪失することを意味します。したがって、大国は自国の利益と国際秩序の維持のために、核使用国に対して壊滅的な報復サンクションを行い、**「核使用は割に合わない」**という事実を物理的に証明しなければならない構造的動機を持っています。


4. 2026年:均衡を崩壊させる「2つの動揺」


2026年現在、この長年の安定構造を根底から破壊する2つの変数が表面化しています。

* アメリカの「内政への引きこもり(アメリカ・ファースト2.0)」:

トランプ政権下の米国は同盟を「取引」として捉えており、有事に米国が自国をリスクに晒してまで同盟国を守るかという疑念デカップリングを決定的なものにしました。これにより、外部に依存していた「核の傘」の有効性が論理的に目減りしています。

* ロシアによる核ドクトリンの改定(2024年11月):

ロシアはドクトリンを改定し、「核保有国の支援を受けた非核保有国による攻撃」を、事実上の「共同攻撃」とみなして核報復の対象に含めると明記しました。これは、核の傘の下にいる国々に対し、**「同盟関係にあること自体が、核攻撃を受ける直接の正当性(理由)になる」**と宣言したことを意味します。これにより、「傘に入ること」が生存確率を下げるという、抑止論の逆転現象が起きています。


5. 結論:加速する「核のドミノ」と新時代の抑止


2026年、ロシアの核恫喝が「NATOの介入阻止」という実質的な利益を生んでいる現状は、非核保有国にとって「持たざるリスク」が「持つデメリット」を完全に上回ったことを示唆しています。

新START(新戦略兵器削減条約)が失効し、法的・物理的な歯止めが消滅した今、各国は「傘」という不確実な保護を捨て、自前の「盾(核武装)」、あるいはそれに準ずる**「核の潜在能力(短期的な製造能力)」**を保持することでしか生存を担保できない臨界点に達しています。戦後続いた核不拡散の時代は終わり、各国が生存本能に従って核という「最後の防衛手段」を再評価する、構造的な軍拡の時代が幕を開けています。

ロシアによる核ドクトリンの改定(2024年11月):

ロシアはドクトリンを改定し、「核保有国の支援を受けた非核保有国による攻撃」を、事実上の「共同攻撃」とみなして核報復の対象に含めると明記しました。

これは、ウクライナの現状に対する苦肉の策なんだろうけど、かなり危うい改正。本来ならば、ロシアの変更に対し素早く強硬姿勢を見せ、実効性のなさを世界にアピールしなければならなかったはずなのに⋯欧州の国力低下によるリーダーシップのなさが顕著。アメリカに依存してきたツケが回ってきたね。

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