たそがれ〜☆80☆水族館があったんだってミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ねぇ♪ピーちゃん♪」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に座り落下星人の少女『ナツ』は飼い犬の『ピーちゃん』を呼ぶ。その額には落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角がセンターパートの前髪からピョコンと生えている。
「Uo・ェ・oU」
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に座り落下星犬の『ピーちゃん』は飼い主の落下星人の少女『ナツ』を見上げて訊ねる。飼い犬の『ピーちゃん』の可愛い額からも落下星犬の証である。ピーナツと呼ばれる触角が生えていて、飼い主の少女『ナツ』を見上げる度に可愛く揺れている。
「今日も釣りごっこしよっか!?」
今日も今日とて、飼い主の少女『ナツ』は、枯れ枝で作った手作りの釣り竿を飼い犬の『ピーちゃん』に掲げて見せて楽しげに言う。
「キュンU^ェ^U❣❣」
飼い主の少女『ナツ』と飼い犬の『ピーちゃん』は、土手のオレンジ色に染まる河原を歩き思いの外深い大きな川の淵にしゃがみ込んで手作りの枯れ枝の釣り竿をポチャンッッッ!!と思いの外深い大きな川に釣り糸を垂らす。
じっ〜〜……と。『ナツ』と『ピーちゃん』は思いの外深い大きな川を静かに見詰める。
「…………」
「Uo・ェ・oU」
今日も今日とて暫しの間『ナツ』と『ピーちゃん』と思いの外深い大きな川の間に沈黙と言う名の静寂が流れる。
「…………」
「Uo・ェ・oU」
「…………」
「Uo・ェ・oU」
「…何?…ピーちゃん」
『ナツ』と『ピーちゃん』と思いの外深い大きな川の間に流れる沈黙と言う名の静寂を『ピーちゃん』が『ナツ』の名を呼び破りました『ピーちゃん』は賑やかな仔犬なのです。
「Uo・ェ・oU」
「ん?海の生き物のお話?」
「Uo・ェ・oU」
「〜そうだねぇ〜」
何も釣れることのない手作りの釣り竿の垂らした糸をクルクルと飼い主の少女『ナツ』は、器用に竿に巻き付けて、河原の砂の上に今日も今日とて徐に絵を描きました。
ーー『くコ:彡』ーー
ーー『C:。ミ』ーー
ーー『(:]ミ』ーー
ーー『С(’∀`)Э)Э』ーー
今まで河原にお絵描きした沢山の海の生き物の絵です。
飼い主の少女『ナツ』が河原の砂の上に釣り竿を駆使して器用に描いた不思議な絵を飼い犬の『ピーちゃん』は、円なお目々をパチクリさせ飼い主の少女『ナツ』に訊ねました。
「|Uo・ェ・oU《今まで描いた生き物だね》」
「…そうくコ:彡…」
「…C:。ミと…」
「…(:]ミ…」
「そして、С(’∀`)Э)Эを描きました…」
「Uo・ェ・oU」
「…そう…昔々、海が汚染されていなかった頃にね」
「…水族館があったんだって…」
「水族館にはこんな風に海の生き物が沢山いたんだって」
「キュンU^ェ^U❣❣」
「ふふっ♫そうだねぇ♪」
「キュンU^ェ^U❣❣」
「ふふっ♫そうだねぇ♪行ってみたいね♪」
飼い主の少女『ナツ』はオレンジ色の土手から思いの外深い大きな川を遠い目をして眺めその水面に反射して浮かび上がる《93》奇妙な数字の羅列を見詰め独り言のように囁いた。この奇妙な数字の羅列は、この落下してゆく星の落下する期日を示している。
手作りの釣り竿で河原の砂の上に、
ーー『くコ:彡』ーー
ーー『C:。ミ』ーー
ーー『(:]ミ』ーー
ーー『С(’∀`)Э)Э』ーー
沢山の海の生き物の絵をお絵描きする飼い主の少女『ナツ』と飼い犬の『ピーちゃん』を大きな川の水面が静かに見詰めていた。
この落下してゆく星の大気はオレンジ色の砂埃(無数のチリ)により汚染されつつある。このオレンジ色の砂埃(無数のチリ)により汚染された空には朝も夜も無く。何時も黄昏、夕暮れ時しか存在しない。そして、この星からは汚染されたオレンジ色に包まれた黄昏た空しか見えない。その黄昏たオレンジ色の空に浮かぶ奇妙な数字の羅列…落下してゆく星の落下する期日…それしか見えない。そして、この落下してゆく星の川は大きな海へと繋がっているのだが、今、現在、この星の大気と同様に海も汚染され。その汚染された海はー腐海ーと呼ばれている。このはー腐海ーは、深く澱み…コンブを始め海洋植物を枯らしている…そして海がまだ汚染されていなかった頃、海では塩っぱい塩が採れたと言われている。今、現在、海の汚染は進み…塩は採れても食べられないと言われている…。そして、昔々の太古の綺麗な海には魚と言う水生の生き物が生息していて、この星の人々は、その魚を釣り生きる糧としていたと言われている。現在、汚染されたー腐海ーには、魚の生存は確認されてなく。魚は死滅したと言われている。そして魚の他にも海には様々な生き物が生息していたらしい。そして、その海の生き物を収集して、飼育して、展示する施設ー水族館ーが存在していたとこの星の文献に記されている。
そして…大気や海と同様に…この星の落下星人達の躰の腐敗が始まり。躰のあちこちに腐敗した✹紫色の痣✹が出現していた。かねてより過激な論争を繰り返していた。落下星消滅論には、二つの派閥が在り。片方は、賞味期限が切れたらそのまま星も消滅すると言う。消滅派。もう片方は、賞味期限が切れたら星が腐敗して朽ち落ちると言う。腐敗派。そして今回の腐敗した✹紫色の痣✹の出現により。腐敗派の説が正しいと立証された。ただし賞味期限が切れたら星が腐敗して朽ち落ちる。と言う仮説よりも思いの外早く始まった腐敗は、この星の人々の躰だけでなく心までも腐食して逝くのだった。そして腐敗が進むと✹紫色の痣✹は全身へと拡がり。軈て黒ずんで身体が腐り朽ち果てると言われている。
また今、現在。落下星犬は躰の腐敗が確認されてはいないが、いずれ落下星人のように腐敗が始まり。同じ運命を辿るのでは無いかと言われている。
そして、落下星人の少女『ナツ』も例外ではなく躰の腐敗が始まり。その白い二の腕には、✹紫色の痣✹がくっきりと浮かび上がっていた……。
この✹紫色の痣✹は、腐敗の経過により打撲傷の様な症状が進んで逝くらしぃ。唯一つ違うのは、打撲傷や怪我等の躰の傷であれば、まだ治ると言われているが、躰の腐敗は治る事は無いと言われている。軈て躰の細胞が再生するのを辞めて逝くからである。そして、躰が朽ちるよりも先に…この星は落下してしまうのでは?と言われている…。
この星は刻一刻と終わりへと向かって逝く……。
刻一刻と終わりへと向かって、黒ずんで逝く……。
終焉へと堕ちて逝く中で、この星の人達の心もまた酷く醜く痛み…傷つけ合い…何処までも愚かに堕ちて逝く……。
躰に受けた傷よりも心に受けた傷のほうが時に深刻で、この星の人々に絶望と言う名の致命傷を与えていた……。
この星の人々の心の腐敗は止まるこなく進んで逝く……。
大気や海と同様に心も躰も腐り汚染されて逝く……。
だけど『ナツ』には『ピーちゃん』がいる。
大好きな『ピーちゃん』と共にいるかぎり。
『ナツ』の心と魂は、きっと腐敗することはない。
『ピーちゃん』といっしょにいることで、
『ナツ』といっしょにいることで、
いっしょにいることで生かされている。
ーーただいっしょにいるだけでイカしてる。
ーーたとえ星が落ちようとも。
ーーたとえ躰が腐れ朽ち果てようとも。
ーー共に生きるただそれだけで、
ーー『ナツ』と『ピーちゃん』は、イカしてるのだ。
何時もの土手の川から、
ずっと遠くへと続くー海ーへと思いを馳せて、
『ナツ』と『ピーちゃん』は、
手作りの釣り竿で河原の砂の上にイカした。
『くコ:彡』
『C:。ミ』
『(:]ミ』
『С(’∀`)Э)Э』
沢山の海の生き物の絵を仲良くお絵描きして、今は無きー水族館ーへと思いを馳せるのだった。
たそがれ〜☆80☆水族館があったんだって☆ミ〜
落下するまで93日☆ミ




