たそがれ⑦〜アラレ星人☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ねぇ。ピーちゃん。知ってる?」
「Uo・ェ・oU?」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に座り落下星人の少女『ナツ』は言う。
その額には落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角がセンターパートの前髪からピョコンと生えている。
「…昔ね…私達。落下星人の他に…アラレ星人って種族が居たんだって」
「ワウUo・ェ・oU?」
落下星犬の『ピーちゃん』が、広い額からピョコンと生えている落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角を揺らして飼い主の少女『ナツ』を見上げる。
「……そう。アラレ星人」
飼い主の少女『ナツ』は、飼い犬の『ピーちゃん』の額を優しく撫でて言う。
「昔アラレ星人は落下星人と共生していた種族で、落下星人の良き友人だったんだって、私達。落下星人にはピーナツと呼ばれる触角があるでしょ?アラレ星人には、額からアラレと呼ばれる。柿色の三日月型の触角が生えてたんだって」
何時もオレンジ色の空を生温い風が吹いて、飼い主の少女『ナツ』と飼い犬の『ピーちゃん』の額から生えるピーナツと呼ばれる触角を揺らしている。
「ワンUo・ェ・oU?」
不思議そうに訊き返す飼い犬の『ピーちゃん』の額から生えるピーナツと呼ばれる触角の先を擽りながら飼い主の少女『ナツ』は答える。
「そう……。ここがアラレになってるの」
「キュンU≧エ≦U」
首をキュンキュンと奮わせる『ピーちゃん』に飼い主の少女『ナツ』は、笑って言う。
「ふふふ!触角は敏感なところだからね」
「ペロペロU≧エ≦U♡」
飼い犬の『ピーちゃん』が、飼い主の少女『ナツ』の触角を赤い舌でペロペロと舐める。
「キャア!ふふふダメだよピーちゃん!」
飼い主の少女『ナツ』が飼い犬の『ピーちゃん』の茶色いお鼻をツンと右手の人差し指で突っつく。
「女の子の触角を勝手に舐めちゃダメなんだよ」
「キャフU≧エ≦U」
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹は仲良く戯れ合っていた。
《166》オレンジ色の空に浮かぶ数字の羅列が、また今日も一日ずつゆっくりと減ってゆく……。
たそがれ⑦〜アラレ星人☆ミ〜
落下するまで166日☆ミ




