たそがれ〜☆68☆ー喜怒哀楽ーの哀は◊哀しみの心◊☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ワンUo・ェ・oU」
「なぁに?ピーちゃん」
「ワンUo・ェ・oU」
「ふふ♡心のお話ね♡」
「ワンUo・ェ・oU」
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原を歩きながら落下星犬の『ピーちゃん』は、飼い主の落下星人の少女『ナツ』を見上げて言う。
「ふふ♡そうだね♡」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に座って落下星人の少女『ナツ』は優しく微笑んで答える。その額には落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角がセンターパートの前髪からピョコンと生えている。
「キュンU^ェ^U♡」
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に座る飼い主の落下星人の少女『ナツ』の隣りにチョコンと座って落下星犬の『ピーちゃん』は飼い主の落下星人の少女『ナツ』を見上げて安心した様子で言う。飼い犬の『ピーちゃん』の可愛い額からも落下星犬の証である。ピーナツと呼ばれる触角が生えていて、飼い主の少女『ナツ』を見上げる度に可愛く揺れている。
「ふふ♡そうだねぇ♡例えばーー」
飼い主の少女『ナツ』は、可愛い飼い犬の『ピーちゃん』をセーラー服のプリーツスカートに包まれた膝上に抱っこして可愛い丸い頭を撫でて言う。
「ー喜怒哀楽ーの哀は◊哀しみの心◊」
「Uo・ェ・oU?」
「…そう…◊哀しみの心◊は、大切な人との別れだったり。かけがえのない物の失くしてしまったり。した時に胸が締め付けられるような切なさだったり。深い空虚感を伴う感情だって、言われてるんだって」
飼い主の少女『ナツ』はオレンジ色の土手から思いの外深い大きな川をじっと眺めその水面に反射して浮かび上がる《105》奇妙な数字の羅列を見詰め独り言のように囁いた。この奇妙な数字の羅列は、この落下してゆく星の落下する期日を示している。
「…例えば…私は、ピーちゃんが死んじゃったらと思うと哀しくって、涙がでちゃうわ……」
飼い犬の『ピーちゃん』は、ペロペロと飼い主の少女『ナツ』の色白な頬を伝う涙を労わるように舐めて言う。
「クゥンU´꓃`U」
「クゥンU´꓃`U」
「クゥンU´꓃`U」
「クゥンU´꓃`U」
「クゥンU´꓃`U」
お互いを思い合い涙する飼い主の少女『ナツ』と飼い犬の『ピーちゃん』を大きな川の水面が静かに見詰めていた。
この落下してゆく星の大気はオレンジ色の砂埃(無数のチリ)により汚染されつつある。このオレンジ色の砂埃(無数のチリ)により汚染された空には朝も夜も無く。何時も黄昏、夕暮れ時しか存在しない。そして、この星からは汚染されたオレンジ色に包まれた黄昏た空しか見えない。その黄昏たオレンジ色の空に浮かぶ奇妙な数字の羅列…落下してゆく星の落下する期日…それしか見えない。この星がオレンジ色の砂埃(無数のチリ)に汚染されていなかった頃、空からは雨や雪が降ったらしい。そして雨上がりの空には、綺麗に七色に輝くー虹ーと言うものが架かったらしい。ー虹ーは、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、の七色に輝いていてとても綺麗だったそうだ。今、現在ー虹ーは確認する事ができない。そして飼い主の少女『ナツ』は飼い犬の『ピーちゃん』には、言わなかったが、この星の古い文献には、ー虹ーは、この星の未来を約束する為に神様と結んだ契約の証……。そう記されていた。つまり。飼い主の少女『ナツ』は、オレンジ色の黄昏た空を見詰め思うのだ。ー虹ーが確認できないと言う事は、もう、この星は、神様から未来を約束されていないのだと。そう『ナツ』は、オレンジ色の空を見詰めて思うのだった。
そして今、現在、この星の落下星人達の躰の腐敗が始まり。躰のあちこちに腐敗した✹紫色の痣✹が出現していた。かねてより過激な論争を繰り返していた。落下星消滅論には、二つの派閥が在り。片方は、賞味期限が切れたらそのまま星も消滅すると言う。消滅派。もう片方は、賞味期限が切れたら星が腐敗して朽ち落ちると言う。腐敗派。そして今回の腐敗した✹紫色の痣✹の出現により。腐敗派の説が正しいと立証された。ただし賞味期限が切れたら星が腐敗して朽ち落ちる。と言う仮説よりも思いの外早く始まった腐敗は、この星の人々の躰だけでなく心までも腐食して逝くのだった。そして腐敗が進むと✹紫色の痣✹は全身へと拡がり。軈て黒ずんで身体が腐り朽ち果てると言われている。
また今、現在。落下星犬は躰の腐敗が確認されてはいないが、いずれ落下星人のように腐敗が始まり。同じ運命を辿るのでは無いかと言われている。
そして、落下星人の少女『ナツ』も例外ではなく躰の腐敗が始まり。その白い二の腕には、✹紫色の痣✹がくっきりと浮かび上がっていた……。
この✹紫色の痣✹は、腐敗の経過により打撲傷の様な症状が進んで逝くらしぃ。唯一つ違うのは、打撲傷や怪我等の躰の傷であれば、まだ治ると言われているが、躰の腐敗は治る事は無いと言われている。軈て躰の細胞が再生するのを辞めて逝くからである。そして、躰が朽ちるよりも先に…この星は落下してしまうのでは?と言われている…。
この星は刻一刻と終わりへと向かって逝く……。
刻一刻と終わりへと向かって、黒ずんで逝く……。
終焉へと堕ちて逝く中で、この星の人達の心もまた酷く醜く痛み…傷つけ合い…何処までも愚かに堕ちて逝く……。
躰に受けた傷よりも心に受けた傷のほうが時に深刻で、この星の人々に絶望と言う名の致命傷を与えていた……。
この星の人々の心の腐敗は止まるこなく進んで逝く……。
……終わりに向かうこの星は、哀しみに満ちている。
……それは深淵の淵の如く底の見えない哀しみだ。
……それは、この星が落ちる哀しみ。
……それは、大切な日常が堕ちてゆく哀しみ。
……それは、大切なものを失う運命の哀しみ。
……終わりの足音が近づいてくる……そんな哀しみ。
……この星の人々は、哀しみに泣いている。
……今日もまた。悲しみの涙に暮れている。
たそがれ〜☆68☆ー喜怒哀楽ーの怒は◊哀しみの心◊☆ミ〜
落下するまで105日☆ミ




