たそがれ⑥〜落下星犬(ピーナツ星犬)☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ねぇ。ピーちゃん。知ってる?」
「Uo・ェ・oU?」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に座り落下星人の少女『ナツ』は言う。
その額には落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角がセンターパートの前髪からピョコンと生えている。
「ピーちゃん達落下星犬は落下星人が作ったんだって」
「ワウUo・ェ・oU?」
落下星犬の『ピーちゃん』が、広い額からピョコンと生えている落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角を揺らして飼い主の少女『ナツ』を見上げる。
「ーふふー私は作ってないよ」
飼い主の少女『ナツ』は、飼い犬の『ピーちゃん』の額を優しく撫でて言う。
「昔の落下星人が、一人でいるのが寂しくて自分の触角から落下星犬を作ったんだって」
何時もオレンジ色の空を生温い風が吹いて、飼い主の少女『ナツ』と飼い犬の『ピーちゃん』の額から生えるピーナツと呼ばれる触角を揺らしている。
「ワウUo・ェ・oU」飼い犬の『ピーちゃん』の言葉に飼い主の少女『ナツ』は、オレンジ色の空に浮かぶ奇妙な数字の羅列を見詰め約束する。
「…そうだね…来世が、あったらね」
「ワンUo・ェ・oU」
「ーうんー約束するよ」
額から生えるピーナツと呼ばれる触角を触れ合わせてーー叶えられるかもかわからない約束をする。
《167》オレンジ色の空に浮かぶ数字の羅列が、また今日も一日ずつゆっくりと減ってゆく……。
たそがれ⑥〜落下星犬(ピーナツ星犬)☆ミ〜
落下するまで167日☆ミ




