たそがれ〜☆50☆晴雨兼用の傘もあるんだって☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ワンUo・ェ・oU」
「なぁに?ピーちゃん」
「ワンUo・ェ・oU」
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原を歩きながら落下星犬の『ピーちゃん』は、飼い主の落下星人の少女『ナツ』を見上げて訊ねる。
「…そうだねぇ…確かにー日傘ーは晴れだけだけど。晴雨兼用の傘もあるんだって」
「ワンUo・ェ・oU」
何時もの夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色の空を見上げ飼い主の少女『ナツ』は、落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角をセンターパートの前髪からピョコンと揺らして囁く。
「晴雨兼用の傘はね雨の日でも日差しが差す暑い日でもどちらでも差せる便利な傘なんだって♫」
飼い主の少女『ナツ』は、何時も何気にさり気なく持っていた青いスクールバッグの中から折り畳まれた短い棒の様な物『傘』を取り出して、徐にーーバッ!!と。オレンジ色の空に向かい開いて、飼い犬の『ピーちゃん』と♡相合傘♡をして言う。
「キャンU^ェ^U♫」
「ふふっ♡相合傘だね♡」
飼い主の少女『ナツ』は落下星人の証であるピーナツと呼ばれる触角をセンターパートの前髪からピョコンと揺らし傘を差してークルクルー踊る様に回り飼い犬の『ピーちゃん』と♡相合傘♡をして歌う様に言う♫
「晴雨兼用の傘はねー日傘ーをベースに撥水加工して作った傘でー日傘ー使いがメインなんだけど急な雨にも対応できるんだって♫雨でも晴れでも使えるなんて凄いよね♫」
「キャン♡U^ェ^U♡」
飼い主の少女『ナツ』の差した透明なビニール傘にオレンジ色の砂埃(無数のチリ)が小さく張り付いて、くぐもったオレンジ色にビニール傘が染まるのを飼い犬の『ピーちゃん』は見上げて飼い主の少女『ナツ』を見詰めて訊ねる。
「キャンU^ェ^U」
「ん?私の傘?」
「キャンU^ェ^U」
「この傘はね晴雨兼用ではないよ」
飼い主の少女『ナツ』は可愛い♡飼い犬の『ピーちゃん』と♡相合傘♡をしながら。くぐもったオレンジ色へと染まるビニール傘をーーその向こう側のオレンジ色の空を見詰め囁いた。
「大好きな♡ピーちゃん♡との♡相合傘♡専用だょ♡」
「♡U^ェ^U♡」
晴れる事も雨を降らす事も雪を降らす事も日差しを差す事も辞めた。オレンジ色の空の下で、今や骨董品となった。ー傘ーを♡相合傘♡専用♡のビニール傘を差して、仲良く♡相合傘♡をする『ナツ』と『ピーちゃん』をオレンジ色の黄昏れた空が見下ろしていた。
《123》オレンジ色の空に浮かぶ奇妙な数字の羅列は、この落下してゆく星の落下する期日を示している……。
この落下してゆく星の大気はオレンジ色の砂埃(無数のチリ)により汚染されつつある。このオレンジ色の砂埃(無数のチリ)により汚染された空には朝も夜も無く。何時も黄昏、夕暮れ時しか存在しない。そして、この星からは汚染されたオレンジ色に包まれた黄昏た空しか見えない。その黄昏たオレンジ色の空に浮かぶ奇妙な数字の羅列…落下してゆく星の落下する期日…それしか見えない。この星がオレンジ色の砂埃(無数のチリ)に汚染されていなかった頃、空からは雨や雪が降ったらしい。その雨や雪を凌ぐ為に作られた道具をー傘ーと言うらしい。空が雨や雪を降らすのを辞めてしまったのでー傘ーは、今、現在は骨董品とされている。そしてー傘ーがまだ現役で使われていた頃。この星がオレンジ色の砂埃(無数のチリ)に汚染されていなかった頃、まだ空が雨や雪を降らすのを辞めて無かった頃。ー傘ーには紙や布や色んな材質で色んな色で色んな柄の物が沢山あったらしい。そして、まだ季節が在った頃、特に暑い日差しの差す『夏』に日除けの為に差す主に布製の傘をー日傘ーと言ったらしい。星が季節を巡るのを辞めた。今、現在、現存するー日傘ーは無い。そのー日傘ーをベースに撥水加工して作った。雨の日でも日差しの差す晴れの日でもどちらでも使える晴雨兼用の便利な傘も在ったらしい。ー傘ーが骨董品となった今、現在は透明なビニール製の傘しか残っていない。この星の古い文献には、そう記されている。
たそがれ〜☆50☆晴雨兼用の傘もあるんだって☆ミ〜
落下するまで123日☆ミ




