たそがれ〜㊲賞味期限切れは食べれない?☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ワンUo・ェ・oU」
「なぁに?ピーちゃん」
「ワンUo・ェ・oU」
「ん?賞味期限?」
「ワンUo・ェ・oU」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原を歩きながら落下星犬の『ピーちゃん』は、飼い主の落下星人の少女『ナツ』を見上げて訊ねる。
「…そうだねぇ……」
何時もの夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色の空を見上げ飼い主の少女『ナツ』は、落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角をセンターパートの前髪からピョコンと揺らして考え込むように呟く……。
……そして「…厳密に言うと…食べれるけど…風味が落ちるらしいわ…もぅ、皆、食品も製造するのを辞めちゃったから…この世界は、賞味期限切ればかりだけどね…」と。
何処か、寂し気に……小さな声で、答えた。
「クゥーンU´꓃`U」
落下星犬の『ピーちゃん』は広い額からピョコンと生えている落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角を揺らし隣を歩く寂し気な飼い主の少女『ナツ』を見上げ。寂し気に鳴いた。
寂し気な飼い主の少女『ナツ』は、そっと寂し気な飼い犬の『ピーちゃん』を抱き上げて広い額を優しく撫でて小さな躰を抱き締める。
「…でも…風味は落ちても…食べられるから。きっと…まだ、大丈夫だょ」
「クゥンU´꓃`U」
寂し気な『ナツ』と『ピーちゃん』をオレンジ色の空が見下ろしていた。《136》寂し気なオレンジ色の空に浮かぶ奇妙な数字の羅列は、この落下してゆく星の落下する期日を示している。
たそがれ㊲〜賞味期限切れは食べれない?☆ミ〜
落下するまで136日☆ミ




