たそがれ〜㉞ピーちゃん食べれないのいっぱいあるね☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ねぇ。ピーちゃん」
「Uo・ェ・oU?」
「ピーちゃん食べれないのいっぱいあるね」
「ワンUo・ェ・oU」
「そう。食べ物のはなし」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に座り落下星人の少女『ナツ』は言う。
その額には落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角がセンターパートの前髪からピョコンと生えている。
「ワンUo・ェ・oU」
不思議そうに飼い主の少女を見あげ訊いてくる落下星犬の『ピーちゃん』にも同じ様に広い額から落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角が生えていて、小首を傾げた拍子に揺れている。その『ピーちゃん』の広い額を優しく撫でて、そして飼い主の少女『ナツ』は、答える。
「…そうね…例えば、ピーナツチョコとか、かな」
「クゥンU´꓃`U」
「ふふっ、柔らかく茹でたらね」
「クゥンUo・ェ・oU」
「残念ながら食べれません」
「クゥンU´꓃`U」
「他にも沢山あるけど」
「クゥンUo・ェ・oU」
「ふふっ、わかったわ」
食べれないのがいっぱいある落下星犬の『ピーちゃん』はオレンジ色に染まる土手を徐に夕焼けへと走り出す。落下星人の少女『ナツ』は急いで飼い犬の『ピーちゃん』をセーラー服のプリーツスカートをヒラリ翻し追いかける。
「待って!ピーちゃん!」
飼い主の少女『ナツ』が、夕日に駆けてゆく飼い犬の『ピーちゃん』を追いかけ呼ぶと。『ピーちゃん』は可愛いアンヨを止めて飼い主の少女『ナツ』を振り返り言う。
「クゥンUo・ェ・oU」
『ピーちゃん』のピーナツ色の毛並みが、夕焼けにキラキラと燦めいているU^ェ^U☆゜.*・。゜
「U^ェ^U☆゜.*・」
「どうして?」
飼い主の少女『ナツ』が訊くと飼い犬の『ピーちゃん』は、元気に答えるのだった。
「U^ェ^U☆゜.*・」と。
「ふふっ♡そうね♫一緒に食べれるのを一緒に食べよ♡」
「U^ェ^U☆゜.*・」
オレンジ色の夕焼けに夕日へ土手の河原を仲良く駆ける『ピーちゃん』と『ナツ』をオレンジ色に染まる空が見下ろしていた。《139》オレンジ色の空に浮かぶ奇妙な数字の羅列は、この落下してゆく星の落下する期日を示している。
たそがれ〜㉞ピーちゃん食べれないのいっぱいあるね☆ミ〜
落下するまで139日☆ミ




