表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆ミたそがれ☆ミ落下星〜ピーナツ〜  作者: ナロージュ•ピクセル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/39

たそがれ〜㉝苦手な食べ物は何?☆ミ〜

 いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ

 落下して消滅してしまう星☆ミ

 そんな終わりに向かう星で☆ミ

 落下星人((ピーナツ星人))の少女『ナツ』と

 落下星犬((ピーナツ犬))の『ピーちゃん』は、

 昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。

 夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、

 今日も一人と一匹で散歩する。


 「ワンUo・ェ・oU(ねぇ、ナツ)

 「なぁに?ピーちゃん」

 「ワンUo・ェ・oU(ナツの)

 「ん?私の?」

 「ワンUo・ェ・oU(苦手な食べ物は何?)


 何時(いつ)もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。

 夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原を歩きながら落下星犬((ピーナツ犬))の『ピーちゃん』は、飼い主の落下星人((ピーナツ星人))の少女『ナツ』を見上げて訊ねる。


 「…苦手な食べ物かぁ…そうだねぇ……」


  何時(いつ)もの夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色の空を見上げ飼い主の少女『ナツ』は、落下星人((ピーナツ星人))の証のピーナツと呼ばれる触角をセンターパートの前髪からピョコンと揺らして考え込むように呟く……。


 ……そして「…喧嘩(ケンカ)しながら食べる…ご飯かな……」と。

 何処(どこ)か、寂し気に……小さな声で、答えた。


 「ワンUo・ェ・oU(ケンカ!?)


 落下星犬((ピーナツ犬))の『ピーちゃん』は、広い(おデコ)からピョコンと生えている落下星犬((ピーナツ犬))の証であるピーナツと呼ばれる触角を揺らして隣を歩く飼い主の少女『ナツ』を見上げ不思議そうに訊き返す。

 

 「…そぅ…喧嘩(ケンカ)……」


 飼い主の少女『ナツ』は、そっと飼い犬の『ピーちゃん』を抱き上げて広い(おデコ)を優しく撫でて小さな(からだ)を抱き締める。


 「パパとママがね毎晩…晩ご飯の時に…喧嘩(ケンカ)するの」


 オレンジ色の空に浮かぶ《140》奇妙な数字の羅列。

 この落下してゆく星の落下する期日(賞味期限)を示す。

 その。数字を見詰め落下星人((ピーナツ星人))の少女『ナツ』は、呟く。


 「…折角(せっかく)の美味しい晩ご飯が、喧嘩(ケンカ)すると…美味しく無くなるの…何時(いつ)も…悲しい味がする…」


 「ワンUo・ェ・oU(…だから…)


 飼い主の少女『ナツ』の白い頬を伝う涙を…飼い犬の『ピーちゃん』が、ペロリと赤い小さな舌で舐めて言う。


 「ワンUo・ェ・oU(ボクのトコくるの?)


 「うん『ピーちゃん』と一緒に食べた方が美味しいから」


 「キャンU^ェ^U(ボクもおいしい♡)


 「ー『ピーちゃん』が、いてくれて良かったー」


 オレンジ色に染まる空の下で「ーありがとー」……と。

 飼い主の少女『ナツ』は、飼い犬の『ピーちゃん』に、

 ……そう。静かに囁いた。


 たそがれ㉝〜苦手な食べ物は何?☆ミ〜

 落下するまで(賞味期限まで)140日☆ミ

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ