たそがれ〜㉚今も…争ってるんだよ…☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「…ねぇ。ピーちゃん…」
「ワゥUo・ェ・oU?」
「昨日話したこと覚えてる?」
「ワゥUo・ェ・oU?」
「ピーちゃんは、ホント忘れん坊ね」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に座り落下星人の少女『ナツ』は隣にピョコンと座る落下星犬の『ピーちゃん』に囁く。その額には落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角がセンターパートの前髪からピョコンと生えている。その自分の触角を指差して飼い主の少女『ナツ』は言う。
「触角がアラレのアラレ星人と落下星人が大昔、争ってたって話だよ」
「ワンUo・ェ・oU」
「…思い出してくれて良かったよ…」
「ワウUo・ェ・oU?」
不思議そうに落下星犬の『ピーちゃん』が、広い額からピョコンと生えてる落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角を揺らし隣に座る飼い主の少女『ナツ』を見上げて訊く。
「…アラレ星人は…巨神に向こうの世界に連れて行かれて、もぅ…いないから…」
「ワウUo・ェ・oU?」
「ーうんー争ってない…って、言いたいけど…」
「ワウUo・ェ・oU?」
何時もの夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色の空を見上げ飼い主の少女『ナツ』は、落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角をセンターパートの前髪からピョコンと揺らして考え込むように呟く……。
「…うん…今も…争ってるんだよ…」
「ワウUo・ェ・oU?」
「…落下星人同士で、だよ…」
「ワウUo・ェ・oU?」
飼い主の少女『ナツ』は何時もオレンジ色の黄昏た夕暮れ空に浮かぶ《143》奇妙な数字の羅列この落下してゆく星の落下する期日を白く細い指で指差して呟く。
「…落下する期日…を見て、自暴自棄になって、暴徒化して、争ってるのよ」
「ワウUo・ェ・oU?」
「ふふっ、ボートじゃなくて、暴徒だよ…たぶん…みんな怖いんだと思うの…怖いから…争うのかもしれないなって」
「ワウUo・ェ・oU?」
「…そう…例え、平和な世界だとしても争う気がする」
「ワウUo・ェ・oU?」
「きっと…平和な世界が崩れるのが怖いから…かなぁ」
「ワウUo・ェ・oU?」
「…たぶんね…みんな怖がりさんかもね…私も…」
一人と一匹で、何時もオレンジ色に黄昏た空を見上げる。
『ナツ』と『ピーちゃん』を何時もオレンジ色に黄昏た空が静かに見下ろしていた。
たそがれ〜㉚今も…争ってるんだよ…☆ミ〜
落下するまで143日☆ミ




