たそがれ③〜何時も夕暮れ黄昏時☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ねぇ。ピーちゃん。知ってる?」
「Uo・ェ・oU?」
「…諸説あるけど…この星は、落下し続けているから」落下星人の少女『ナツ』が下の地面を指差して「…太陽が昇るのも沈むのも…辞めたんだって」と独り言の様に呟いた。
「ワウUo・ェ・oU?」
「…そう…辞めたの」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に座り落下星人の少女『ナツ』は言う。その額には落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角がセンターパートの前髪からピョコンと生えている。
「…だから何時も…夕暮れ黄昏時…なんだよ」
「Uo・ェ・oU?」
不思議そうに飼い主の少女を見あげる落下星犬の『ピーちゃん』にも同じ様に広い額から落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角が生えてて小首を傾げた拍子に揺れている。
「ほら空を見てごらん…今日も夕暮れ黄昏時さ…」
落下星人の少女『ナツ』は昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。夕暮れの黄昏時しか存在しないオレンジ色の空を指さして言う。
「…また…一日減ってる……」
「ワウUo・ェ・oU?」小首を傾げて疑問符をピーナツと呼ばれる触角と共に揺らす落下星犬の『ピーちゃん』を見て落下星人の少女『ナツ』は『ピーちゃん』の広い額を優しく撫でる。『ピーちゃん』は飼い主の少女『ナツ』に優しく広い額を撫でてもらうのが好きだった。
「昨日は171だったけど。今日は、170になってる…また…一日減ってる」
落下星人の少女『ナツ』はセンターパートの前髪からピョコンと生える落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角を熱くも寒くもない生温い微風に揺らしながら言う。
「…下に落ちて消滅してしまう星だから…きっと太陽も黄昏てるんだね」落下星人の少女『ナツ』の小さな声がオレンジ色の空に溶けてゆく。
「……Uo・ェ・oU」オレンジ色の空を落下星犬の『ピーちゃん』が静かに見つめている。
「…黄昏時って言葉はね…『誰ぞ彼』薄暗くて相手の顔がわかりづらい夕暮れ時に『あなたは誰ですか?』と問いかける様子から『たそがれ』って言う言葉が生まれたんだって」
落下星人の少女『ナツ』の小さな声がオレンジ色の黄昏時の空に溶けて消えてゆく。
「|……ワウUo・ェ・oU」オレンジ色の黄昏時の空を落下星犬の『ピーちゃん』は静かに見つめる。
「ーもう…ずっと薄暗いから…誰が誰かわからないねー」
黄昏に「クゥーンUo・ェ・oU」と鳴く落下星犬の『ピーちゃん』に飼い主の落下星人の少女『ナツ』は物思いにふけりオレンジ色の夕暮れの空に黄昏て呟いた。
たそがれ③〜何時も夕暮れ黄昏時☆ミ〜
落下するまで170日☆ミ