たそがれ〜㉙この星も争い事ある?☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ワンUo・ェ・oU」
「なぁに?ピーちゃん」
「ワンUo・ェ・oU」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に仲良く並んで座り。落下星犬の『ピーちゃん』は、飼い主の落下星人の少女『ナツ』に訊ねる。
「ーうんーあるよ……」
何時もの夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色の空を見上げ飼い主の少女『ナツ』は、落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角をセンターパートの前髪からピョコンと揺らして考え込むように呟く……。
「…前に…話したでしょ?…落下星人の良き友人だったアラレ星人…その昔…巨神により根こそぎ…向こうの世界に連れて行かれた…アラレ星人の話し…」
「ワンUo・ェ・oU」
落下星犬の『ピーちゃん』が広い額からピョコンと生えてる落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角を揺らし飼い主の少女『ナツ』を見上げ不思議そうに小首を傾げて訊く。
「…そう、実はね…争ってた事があるの」
「ワンUo・ェ・oU」
「…そう…争ってたのよ……」
飼い主の少女『ナツ』は、自分の落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角を白く細い指で指差して言う。
「…アラレ星人の…アラレ星人の証のアラレと呼ばれる触角はね…食べるととても美味しいらしいの…」
「キューンU´꓃`U」
飼い犬の『ピーちゃん』が悲しそうに訊く……。
何時もオレンジ色の空を生温い風が吹いて、飼い主の少女『ナツ』と飼い犬の『ピーちゃん』の額から生えるピーナツと呼ばれる触角を静かに揺らしている。
「…巨神が、来る前にね…大昔の落下星人の一人がね…自分の恋人の…アラレ星人のアラレと呼ばれる触覚を…食べちゃった事件があったの…」
「!?Uo゜ェ゜oU」
「…そう…大飢饉で、ろくに食べ物が無くて、食べちゃったらしぃの……」
「!?Uo゜ェ゜oU」
「触覚は…第二の心臓と言われてるくらい…大切だから」
飼い主の少女『ナツ』は何時もオレンジ色の黄昏た夕暮れ空に浮かぶ《144》奇妙な数字の羅列この落下してゆく星の落下する期日を見詰め呟く。
「…その…アラレ星人は、死んでしまった…其の事件が、引き金になって、争い事が起きたのよ…共生していた頃に落下星人の方が比率が少ないのは、其の争い事で、多くの落下星人が、アラレ星人によって、粛清されたからなのよ」
飼い主の少女『ナツ』の呟きが、暖かくも冷たくもない風に乗ってオレンジ色の黄昏た空に消えていった……。
たそがれ〜㉙この星も争い事ある?☆ミ〜
落下するまで144日☆ミ




