たそがれ〜㉗好きなお勉強は何?☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ワンUo・ェ・oU」
「なぁに?ピーちゃん」
「ワンUo・ェ・oU」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に仲良く並んで座り。落下星犬の『ピーちゃん』は、飼い主の落下星人の少女『ナツ』に訊ねる。
「…好きなお勉強かぁ…」
何時もの夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色の空を見上げ飼い主の少女『ナツ』は、落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角をセンターパートの前髪からピョコンと揺らして考え込むように呟く……。
「私は、音楽のお勉強が好きかな♫」
「ワンUo・ェ・oU」
落下星犬の『ピーちゃん』が広い額からピョコンと生えている落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角を揺らして飼い主の少女『ナツ』を見上げ不思議そうに小首を傾げる。
「〜〜パピプペピーナツ♫パンに塗るのは♪ピーナツバター♫ピーちゃんも大好き♪ピーナツ♫プレゼントにも♪ピーナツ♫ペンダントにも♪ピーナツ♫」
オレンジ色に染まる空に飼い主の少女『ナツ』が、可愛い声で、謎の歌を歌う♫
「ブンブンU^ェ^U♪」
飼い犬の『ピーちゃん』が飼い主の少女『ナツ』が歌う謎の歌に合わせ小さな茶色い尻尾をブンブンと振って興味津々に訊ねる。
「パピプペピーナツ♫って言う歌♪作詞、作曲、私☆ミ」
飼い主の少女『ナツ』が「ふふふふ♪」と笑い楽しそうに言う。飼い犬の『ピーちゃん』も楽しそうな『ナツ』につられて小さな茶色い尻尾をブンブン振って『ナツ』の作詞、作曲の謎の歌を一緒に歌う♫
「ブンブンU^ェ^U♪」
「〜〜パピプペ♫」「ブンブンU^ェ^U♪」
生暖かい風が『ピーちゃん』と『ナツ』の歌声をオレンジ色の空に運んでゆく……その空に浮かぶ《146》奇妙な数字の羅列…この落下してゆく星の落下する期日が、仲良く歌う『ピーちゃん』と『ナツ』を静かに見下ろしていた。
「ブンブンU^ェ^U♪」
「ふふ♪そうだね♫」
可愛い尻尾をブンブンと振って楽しそうに『ピーちゃん』が言う。そんな『ピーちゃん』を見て『ナツ』も楽しくなって、頷いた。『ピーちゃん』の茶色い尻尾がオレンジ色の夕焼けにキラキラと燦めいていた。
たそがれ㉗〜好きなお勉強は何?☆ミ〜
落下するまで146日☆ミ




