たそがれ⑳〜お勉強してどうするの?☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ワンUo・ェ・oU」
「なぁに?ピーちゃん」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原を歩きながら落下星犬の『ピーちゃん』は、飼い主の落下星人の少女『ナツ』に訊ねる。
「ワンUo・ェ・oU」
「ん?学校?」
「ワンUo・ェ・oU」
「ん?お勉強?」
「ワンUo・ェ・oU」
「…そうだね…」
何時もの夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色の空を見上げ飼い主の少女『ナツ』は、落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角をセンターパートの前髪からピョコンと揺らして考え込むように呟く……。
「…お勉強してどうするのか…其れを考える為に…お勉強してるのかもしれないわね…」
「ワウU^ェ^U♪」
落下星犬の『ピーちゃん』は、広い額からピョコンと生えている落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角を揺らして隣を歩く飼い主の少女『ナツ』を見上げて言う。
「ふふっ、ピーちゃんは何のお勉強がしたいの?」
「ワウU^ェ^U♪」
「えっ!?私の!?」
「ワウU^ェ^U♪」
「ふふっ、じゃあ私はピーちゃんのお勉強しよっかな♪」
何時もオレンジ色の黄昏た夕暮れの土手の河原で戯れて仲良く追いかけっこする『ナツ』と『ピーちゃん』をオレンジ色の空が見下ろしていた。
《153》オレンジ色の空に浮かぶ奇妙な数字の羅列は、この落下してゆく星の落下する期日を示している……。
たそがれ⑳〜お勉強してどうするの?☆ミ〜
落下するまで153日☆ミ




