たそがれ⑲〜学校って何?☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ワンUo・ェ・oU」
「なぁに?ピーちゃん」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原を歩きながら落下星犬の『ピーちゃん』は、飼い主の落下星人の少女『ナツ』に訊ねる。
「ワンUo・ェ・oU」
「ん?セーラー服?」
「ワンUo・ェ・oU」
不思議そうに飼い主の少女『ナツ』の着ているセーラー服を円な瞳で見て不思議そうに小首を傾げる飼い犬の『ピーちゃん』に飼い主の少女『ナツ』は微笑んで答える。
「ーうんーそうだよ」
「ワンUo・ェ・oU」
落下星犬の『ピーちゃん』は、広い額からピョコンと生えている落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角を揺らして隣を歩く飼い主の少女『ナツ』を見上げて訊く。
「…そうね…」
何時もの夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色の空を見上げ飼い主の少女『ナツ』は、落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角をセンターパートの前髪からピョコンと揺らして考え込むように呟く……。
「…お勉強…するところかな」
「ワンUo・ェ・oU」
「…そう…お勉強……」
「ワンUo・ェ・oU」
小首を傾げる飼い犬の『ピーちゃん』に飼い主の少女『ナツ』はクスリと笑って答える。
「ふふっ、楽しい時と楽しくない時があるよ」
「ワンUo・ェ・oU」
何時もオレンジ色の空を生温い風が吹いて、飼い主の少女『ナツ』と飼い犬の『ピーちゃん』の額から生えるピーナツと呼ばれる触角を静かに揺らしている。
「ワンUo・ェ・oU」
「ん?私と?」
「ワンUo・ェ・oU」
「…そっか…ピーちゃんと一緒なら」
飼い主の少女『ナツ』は、《154》オレンジ色の空に浮かぶ奇妙な数字の羅列…この落下してゆく星の賞味期限…を見詰めて独り言の様に囁いた。
「…学校も楽しいのかもしれないね…」
オレンジ色に染まる河原で黄昏れる『ナツ』と『ピーちゃん』をオレンジ色の黄昏た空が見下ろしていた。
たそがれ⑲〜学校って何?☆ミ〜
落下するまで154日☆ミ




