たそがれ⑫〜暖かいは知ってる☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ワンUo・ェ・oU」
「なぁに?ピーちゃん」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原を歩きながら落下星犬の『ピーちゃん』は、飼い主の落下星人の少女『ナツ』に訊ねる。
「ワンUo・ェ・oU」
「ん?季節の話?」
「ワンUo・ェ・oU」
落下星犬の『ピーちゃん』が、広い額からピョコンと生えている落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角を揺らして隣を歩く飼い主の少女『ナツ』を見上げて訊く。
「…他にも在るみたいだよ…」
「ワンUo・ェ・oU」
「そうだねー例えば『春』とかー」
「ワンUo・ェ・oU」
「…そう…『春』ーとても暖かい季節なんだってー」
オレンジ色に染まる柔らかい芝生の土手に寝転んで飼い主の少女『ナツ』は、落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角をセンターパートの前髪からピョコンと揺らして言った。
飼い犬の『ピーちゃん』は、大好きな飼い主の『ナツ』の柔らかいお腹の上に乗って言う。
「♡U^ェ^U♡」
「ふふふ♡ピーちゃん、暖かいね♡」
飼い主の少女『ナツ』は、お腹の上で丸くなる。
飼い犬の『ピーちゃん』をヨシヨシと撫でて囁いた。
「ー幸せだねー」……と。
幸せな『ナツ』と『ピーちゃん』をオレンジ色の空が見下ろしていた。
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星☆ミ
太陽は昇るのも沈むのも辞めた星☆ミ
何時も夕暮れオレンジ色の黄昏時の星☆ミ
軈て季節も巡るのを辞めた星☆ミ
暑いも寒いも無い生温かい風が吹く星☆ミ
ーー暖かいは、知っている星☆ミ
『ピーちゃん』と『ナツ』一匹と一人が居る星☆ミ
《161》オレンジ色の空に浮かぶ奇妙な数字の羅列は、この落下してゆく星の落下する期日を示している……。
たそがれ⑫〜暖かいは知ってる☆ミ〜
落下するまで161日☆ミ
♡お陰様で♡
『☆ミたそがれ☆ミ落下星〜ピーナツ〜』
略して『たそピー☆ミ』
2025/8/30(土)のランキング
94 位[月間]宇宙〔SF〕 - 連載中
にランクインさせて頂きました♡
月間のランキングにランクインしたのは、
初めての経験でしたのでとても嬉しかったです♡
有難うございます♡m(_ _)m♡
此れからも完結目指して頑張ります☆ミ




