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次の日から、私はギルドの薬草採集などの戦わなくていい仕事を受けて、お金を稼ぎ、そのお金を生活と貯金に回し始めた。朝から森に行って適当に生えてる果物を食べて、薬草とかを集めて、夕方にはギルドに行って休む。この繰り返しで、1か月もしたころ、私の貯金は銀貨12枚分にもなった。ちなみに銅貨100枚➡銀貨1枚、銀貨100枚➡金貨1枚だ。今のステータスはこんな感じ。
「鰯石小夜子 Lv.1/Lv4
Atk:5
Def:8
Spd:25
HP:25
MP:1
スキル:[[節約家]][アタックアップ][ディフェンスアップ][スピードアップ](観察眼lv1)(体力強化lv2)
「[[節約家]]LV.1 [ライフバンキング1] コスト:なし パッシブ 致死ダメージでHPの前借りが発生する。上限は1000 LV.2 で[複利攻撃]、[割引Ⅰ]がアンロックされる。 」
「[アタックアップ]コスト:MPの10% 1時間Atkを1アップさせ、与えるダメージを増加させる。」
「[ディフェンスアップ]コスト:MPの10% 1時間Defを1アップさせ、受けるダメージを減らす。」
「[スピードアップ]コスト:MPの10% 1時間Spdを10アップさせ、移動にかかる体力を一時的に減少させる。」
「(観察眼lv1)ものをよく見ると、名前がわかる。」
「(体力強化lv2)体力が少し上がる。」
毎日走り回ったり、敵(逃げる)をよく観察したりして後天スキルを2つ手に入れた。そして、この世界に来てから1か月したとき、私の生活は大きな転換期を迎えた。
その日の始まりはいつも通りだった。いつも通りギルドを出て外に行こうとしていた時、鎧を着た強そうな人が駆け込んできた。そして叫んだ。
「町にグランドスライムがやってきたぞ!1!!」
職員の人や中にいる人がざわつき始める。まあ私はいつものローテーションのために出ていこうとするが、止められる。
「これは緊急クエストだ。」
「いや私戦えないんですけど。」
「それでも壁の上から矢を打つくらいできるだろ。」
「えっと」
「とりあえず参加しな。報酬も出るぞ。」
というわけで戦場に行くことになりました。城壁の上に25人くらいで登ると、少し遠くにスライムの集団が見えた。
弓を渡されてグランドスライムとその眷属のスライムやメイジスライムなどを打てと言われたので、弓と矢を構えてこちらにスライムが来るのを待つ。というか、矢が圧倒的に少ない気がする。200本あるかないかで、一人に2本しか配られなかった。この弓がすべて魔法具で、矢をつがえて打つと、矢の衝撃だけが伝わるといわれたが、そんなに便利なものがあってたまるか。足が速めのライトスライムが数匹近づいてきた。その途端、透明に近いいくつもの矢がスライムたちをバラバラにした。「何発でも矢は打てるんだから、出し惜しみしなくていいんだよ。」と周りにいた中年男性に言われた。(なんやその超技術)その時、城壁が大きく揺れた。
城壁の揺れは収まったが、「また揺れるぞ!」という声が聞こえて、また揺れた。「これは自爆スライムか。厄介だな。」そう横にいる人が言った。自爆スライムって。エナジーマシンかよ。
まあ死なないくらいに戦いますか。配られている弓に同じく配られた矢をつがえて打つ。まあ外れる。家に弓とか銃とかあったけどインテリアだったからな。未経験者に射撃ができるか?でも矢は手の中になぜか残っている。魔法ってすごいな。
そう思って、矢をまたつがえた時、少し遠くの一団が騒ぎ始めた。
グランドスライムから新たなスライムが生み出される。普通のスライムより少し大きくて、浮かんでいるスライムがでてきた。
「バブルスライムだ!魔法を使ってくるぞ!気をつけろ!」
…この世界、スライムの強さバグりすぎでは?
飛んできた1匹のバブルスライムに矢の嵐が浴びせられる。しかし、当たった矢は少ない。そして、当たった矢もはじかれていた。「カン」って。なんでよ。横にいる人が「風魔法か!近接戦かよ。面倒だな~」って言ってたので魔法なのだろう。ていうか魔法っぽいのは私のバフと最初に見た光るやつ以外見たことないのに、初めてまともに見る魔法がが地味すぎる。強そうだけれども。もっと派手な奴が見たいな。そう思っていると、スライムが光はじめて、周りが騒がしくなってくる。「来るぞ!よけろ!」危なそうだから[ディフェンスアップ]×10しといた。
で、周りの人と同じようにかがんで頭を守った。地震の避難訓練みたいだな。そのとき、強い衝撃があたりを襲った。
恐る恐る目を開けると、私は地面に転がっていた。え?
防壁的なとこは崩壊していた。なんで私生きているんだろ。私LV2ですよ。HPがまた0.1だ。おかしいでしょう。HPは整数だろう普通。
死ぬほどのダメージを受けてもある程度なら防いでくれる私のユニークスキルがありがたい。
どうせなら攻撃系がよかったんだけどね。
っていうか、今気付いたんだけどめっちゃ痛い。体の節々が。ゲームならポーションとかハンバーガーとかシナモンパイとか使って回復してるけどさ、私そんなの持ってないんだけど。
周り見たらみんな倒れてる。後方支援って感じの人ばっかだったからな~死んでなけりゃいいけど。ま、しんでても他人だからいっか。あと、バブルスライムがこっちに飛んできてる気がするんだけど、気のせい?
絶対こっちに飛んできてる。逃げようかな。
ゆっくり町のほうを振り返ると、町の入り口付近では、数体の輝くスライムと、強そうな人が戦っていた。スライムが輝くたび、色とりどりの弾幕が飛び、人が数人吹き飛んでいる。
戻ったら巻き込まれて死にそうだ。
倒れてるおじさんが、こそこそ、瓶を渡してきた。
「これで回復して戦ってくれ!奴がこっちに来たら、後衛で近接武器がない俺たちはもう終わりだ。あんたは剣持っているんだから、少しは近接できるだろう?」(できねーよバカ!)
薬を飲むと、HPとMPが回復した。
「鰯石小夜子 Lv.2/Lv4
Atk:5
Def:8+10(18)
Spd:25
HP:25/25
MP:1/1
スキル:[[節約家]][アタックアップ][ディフェンスアップ][スピードアップ](観察眼lv1)(体力強化lv2)」
ってなったので、スピードアップかけられるようになった。初めての20個多重バフだ!
よし、スピードアップ10回!
これなら生き残れるんじゃない?(と思うよ知らんけど。)
バブルスライムに向けて、スライムを倒すとき使ったさびた銅?の剣を持って走り出した。
相手との距離は50mほどだ。走りだすと、バブルスライムは緑色のオーブを自分の前に出して、光り始めた。
オーブがどんどん大きくなって飛んでくる。でもSPD125の今の私ならよけられるだろうとおもい、のろのろ飛んで来た球をよけた。すると、地面に激突した球が腹に響くのに高音の「ティーン!↗」という音とともにはじけた地面には半径2.5mくらいの穴が開いている。。逃げてた私には当たらなかったけどね。スライムはそういう間にまた二発目を用意している。(いや、連発しちゃダメな感じの奴だったでしょう?威力的に。)
あとスライムまで10mぐらいなのに、本気を出したのか攻撃が激化している。1発当たれば大ダメージの攻撃が雨あられと降り注いでいる。こちらの遠距離攻撃は当たらない。相手は逃げながら遠距離攻撃をバンバン撃ってくる。うん、前やってたゲームの「おたずねものバグ」ていうキャラみたいだな。(経験値がおいしそうだな~。)
ってか、スライムがこっちをもてあそんでる感がすごい。ま、あっちが有利だから仕方ないか~そう考えていた時だった。私は、弾の爆風に巻き込まれてしまい、吹き飛ばされた。体が浮く感じがして地面にたたきつけられた。でも、痛みになれてきた感じはするな~。簡単には死なないのわかってるし。でも、これで余裕はなくなった。
そこで私の灰色とピンクの中間の脳細胞がひらめく。(普通の色じゃねーか!)
「スピードがいつもの5倍ってことはーいつもの5倍飛び上がれるんじゃない?そうすれば3mくらいに浮かんでるスライムに届くかも。」
そんなに簡単にいくか?
そういえば、今までそんなにバフの効果の検証をやってこなかった。なので、どこまでが可能になるのかはあまりわからない。でも、歩く速さがスピードと比例することは調べていた。飛び上がる高さも比例すると思いたい。あと、せっかく手に入れたのに使ったことなかったな。(もったいな。)
「(観察眼)」
「バブル・メイジ・スライム(変異種)」
「観察眼がlv2になりました。」
(変異種だったのか。)「(変異種ってなんだよ。)」どちらにしても、間合いを詰めないと話にならない。なので、スライムに向けて、走り出した。
スライムまでの距離は20mほど。
5mほど走ったところで、スライムがまた光り始めた。
今度はさっきまでとは比べ物にならない強さだ。
数秒後、うっすら見えるぐらい透き通った直径2mぐらいのボールがスライムの上で形作られた。
やばそうな雰囲気がする。その球体は、ゆっくりこちらに進んできた。かすったところの地面が、ごっそりとえぐられて、球体の内部に圧縮されて閉じ込められている。当たったらミンチになりそう。ラスボスの技みたいな見た目なんだけど。ま、殺さなければ殺されるだけだし、倒すか。あと、ついさっきlv2になった観察眼使うか。
観察眼で見ると、あの魔法は、
「真空の圧力
DUM 250~800
飲み込んだものは、塵になる。」
らしいです。HPを軽々超えてくるわよ。ダメージが。おかしいでしょ。まあ、当たらなけりゃいいだけですよね。そこまでいたくなければ死んでもいいけれど。今楽しみもないし。まあある程度がんばるか。そう思った瞬間、またスライムが輝いた。そして、魔法がさらに一発はなたれる。その魔法(真空の圧力2個目)と元の真空の圧力がぶつかり、さらに大きい球体に合体した。
「真空の圧力II
DUM ????~?????
[[Data.data]] が破損しています。」
観察眼では効果がわからないけど、少なくとも、4桁はダメージがあるようだ。当たったら痛そう。魔法の合成ってワクワクするな。私はそんなの使えないけど。(夢のまた夢)
ともあれ、スライムに向かって行ってるので今はそんなこと考えないどこう。当たったらマジで死ぬ。って思ってスライムに向かって駆け出していると、スライムの様子がおかしい。地面から2mほどまで下がってきた。観察眼で見ると「魔力切れ」と書いてある。お、スキかな。
このままじゃあじり貧だ。スキだと思って近づいた瞬間紫の斬撃が飛んできて、躱せたけれども相手の名前の横からは「魔力切れ」の文字が消えている。ちなみにさっきの魔法攻撃らしいものは
「デススパイラルⅢ
効果:即死(確率)
LVが高い相手ほど「効果がない」確率が上がる。」
つまりLV2の私は当たればDEATH!もう駄目じゃないか。MPもないし。
そのとき!何かが私にぶつかってきた。それは、…普通のスライムだった。忙しいときに。
DEF上がってるし、痛みに慣れてきたから、それほどじゃないけれど、よりによって今かよ。MPがないから何もできないのに…
(!!。LVがあがればMPは回復したじゃないか。前回スライムを倒したときに。)MPさえあれば、「思いついた作戦」が実行できる。つまり、こいつを殺せばいいんだ。また体当たりしようとしているスライムに近づい…あぶな!「デススパイラルⅢ」がまた飛んできた。そして、スライムが逃げかけている。逃がすかよ。スライムは全力ではねて逃げている。それを全力で追いかけ、その背中に持ってた銅の剣を投げつけた。
「EXPを2獲得しました。レベルアップ!HP上限が30になった!」
剣を拾うと、近くに転がっていた城壁の残骸の大きなかけらに隠れる。銅の剣といえども、スピードアップした私が投げれば、普通のスライムをワンパンできた。そこにスピードアップを追加で掛ければ、かなりの高火力を期待できるんじゃないか。つくかはわからないけれど、つきそうだと思って。「スピードアップ」
かすかな光が剣から漏れた。「(観察眼)」
「錆びた銅の剣
ATK+5(SPD+10)
錆びた剣。」
成功!残りのMPもすべてスピードアップに使おう。「スピードアップ!」
私は剣を持ったまましている。よく死んでないな。って「デススパイラルⅢ」がまた飛んできた。説明によると当たれば基本死ぬけど、遅いのが救いだ。というか、当たらないのは相手がクソエイムなのと、バフのおかげで、あともうすぐでそれも終わりだ。
せっかく異世界に来たのに、面白い事件の一つや二つに巻き込まれる前に、死んでたまるか!
まだまだやりたいことがあるのに!日雇い労働者で人生を終えるなんて!せめて定職に就かせろ!
スピードアップをかけた剣は、ずっしりした銅だったはずなのに鉛筆1本のように軽い。これなら持って走るのも簡単だ。
ぷかぷか浮いていたバブルスライムは、こちらが魔法?を使ったのを見てか、今までとは比べようのないほど強い光を放った。そして、、、バブルスライムの周りには、何十個もの「真空の圧力Ⅲ」が浮いていた。
「真空の圧力Ⅲ
DUM:HPx2÷Lv」
(終わったかも…)
でも、
さっき私は覚悟を決めた。
このまま突っ込む!
ヤツまで50mほど。この距離ならよけながら近づけるかも。
と思っていました。
そこまで甘くなかった。
気づいたら周りが数えきれないほどのの真空の圧力Ⅲに囲まれていた。
上も前も後ろも右も左も。
直径3mくらいの球状の攻撃。
ゆっくり迫ってくる。
まるで負けイベントのよう。
殺されるならクローズドサークルで死にたかった。
こんな死に方をしても、誰の記憶にも残らない。
解けない謎も残らない。
ただの面白みのかけらもない「死」なんて。
気付いたらあのスライムが4mくらいの距離まで近づいてきていた。
私を笑いに来たように見える。
クズが。
1矢報いたかった。
体が急に重くなる。スピードアップももう切れたのか。
でも、この攻撃なら、1撃で死ねるから、苦しまないだけましでは?
またスライムが光る。
そして、また、あの魔法が飛んでくる。
スピードが異様に遅いのは、わざとだろう。
いたぶりたいのかな?
まあ、どうせ1撃で死ぬんだ。
これがもし、物語なら、だれかが助けに来るとかで、助かるのにな。
「お母さん、お父さん、ごめんなさい。二人の分まで人生を楽しむって言ったのに。」
それじゃあ、目を閉じて。
思ったより、早く休みが来たと思おう。
地面をけって、攻撃に飛び込もう。
「3,2,1」…
って、体の外側がずっと引っかかれてるような気がするけど、まだ生きてる?
目を開けたら目がやばそうだけど。
そういえば、私はLv3で、HPは0.1だった。
ヒット毎に0.15ダメージって、少なくない?心配して損した。
(あれ、息が苦しくなってきた。)
逃げようとしても体が押さえつけられているようで、体が動かない。
やっぱこれで終わりか。
安心には早かった。
その時、レベルアップの時と同じように、脳内で声がした。
「[チェンジ・ブレイン]の申請がありました。受諾しますか?
「[チェンジ・ブレイン] コスト:なし クールタイム:1日
効果:一時的に2Pと交代。」」
どういうこと?
...でも、今はたぶん詰んでるから、この正体不明のスキルを使うのもいいかも。
...てか、2Pって誰?
「[チェンジ・ブレインを]受諾します。」
あれ?体が動かない。でも目は見えるし、ほかの感覚もある。
[チェンジ・ブレイン]って何?
そう思うと、また脳内音声が来た。
「[チェンジ・ブレイン] コスト:なし クールタイム:1日
効果:一時的に2Pと交代。
補足:
「2P Lv.1/Lv96
Atk:95
Def:92
Spd:75
HP:0.1/83
MP:0/99
スキル:[[事件魔法lv.1]][チェンジ・ブレイン][人特攻lv6][カウンターパート](捨て身)(不意打ち)」
「[[事件魔法]] LV1 [密室に連れ込まれた被害者はなぜかなすすべもなく殺される。] コスト:HP20% 条件:自身、目標のみが論理的、物理的を問わず1つの密室と呼べる空間に入っていること。効果:対象に1撃だけ攻撃がどのような状態からでも必中する。その時、クリティカル発生率*1.5。
LV2で[アリバイ・イミテート]、[マーダーウェポンlv1]がアンロックされる。
推理小説の世界に並々ならぬ憧れを持つ者にのみ習得できるスキル。」
「カウンターパート コスト:使用中、ステータスの任意の値を、合計で自分のLvと同じ数字消費する。 条件:武器を手に持っている。 効果:持っている武器の複製を作る。両手持ちの武器は不可。」」
????????????
えっ?
これだれ?
どういうこと?
そう考えているうちに、眠気が来て、意識がなくなった。




