一話ー学校
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私は鰯石小夜子。N県S市に住む高校2年生。そんなに頭がいいほうでもなくクラスではほぼ空気。今通っている高校は、今年の初めに転校してきたところだ。クラスにはなじんでいない。趣味はクラシックを聴くことと、推理小説を読むこと、そしてRPGゲーム。友達はいない。
12月になって、文化祭も終わり、寒くなってきて、のんびりした雰囲気になったころ、そのある日のことだった。
12月15日の昼休み、いつも通り退屈な一日が半分過ぎようとしていたころ、クラスのお調子者な男子たち約6人ほどが、先生がいないのをいいことに黒板に落書きをしていた。最近テレビで会っている異世界物のアニメに出てくる魔法陣を書いて遊んでいるようだ。いい気なもんだ。もうすぐテストがやってくるというのに。文化祭の直後にテストをするのもどうかとは思うが、先生たちによると「だらけた気持ちに喝を入れる」ためらしい。そうした風景を本の上に出した目で見ていた私は、アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」の496週目の続きを読むことにした。面白いと思った本は200週は読む、それが私だ。45分ある昼休みがあと5分で終わるので、クラスには生徒全員が集まっていた。「次は国語か。いやだなー。」や「今日こそは寝ないように気をつけないと。」といった声が聞こえてくる。授業が始まる前にこの本を読み終えよう、と思った時、急に眠気が襲ってきた。夜9時間寝てて、運動もしていないのに。なぜだr...
はっとした。寝てしまっていたようだ。国語科の先生は指導が激しくて有名で、よく問題になっているのに。どうしよう。とりあえず目を開けた。煉瓦の壁が見えた。...え?