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快適な旅にして悪いことがあるか?いや、ない。(反語)

はい。圧倒的なまでに馬車の揺れに弱すぎる雑魚な私です。リンちゃんです。

ええ。馬車酔い、しましたよ。ものの数分で。自分でも驚くくらいに馬車に弱かったの衝撃です。ライムちゃんの新しいユニークスキルのおかげでなんとか助かりました。しかしですよ。いくらライムちゃんがいれば酔っても問題ないとしても、そう何度も馬車酔いするというのも不快感がエグいですし、そもそも馬車酔いを治療するまでの間にインターバルも存在しているわけですから、その間に魔物や盗賊などの襲撃があった場合に対処が遅れます。それで護衛対象のオランド夫妻に何かあれば私は罪悪感で潰れますね。確実に。


そこで私は考えました。不快な旅路ならば快適な旅路にすればいいじゃない、と。ええ、そうです。快適にすればいいだけなのですよ。そして私が馬車酔いする理由は至ってシンプル!揺れが酷いから。その一点につきます。で、あるならば…揺れを軽減すれば良いのです。しかし残念なことに私はショックアブソーバだとかそういった専門的なものは作れない!材料が無い!知識もない!あと人の馬車を勝手に改造する気もない!されど私はクッションならば作ることが出来る!というか持っている!…今私が持っているクッションの数は…予備含めて…10個。こんなに要らない気はしますけども、それぞれ柔らかさが違うので使い分けることを考えたら妥当な数ですよね?


「私が酔った原因は馬車の揺れだと結論出ましたので、クッションを使おうと思うんですけど、私だけ使うのもあれなのでグルノーミンへ同行してくださるお礼ということでお三方の分もクッションお渡ししますね。」

「ほほぉ。クッションですか。確かにあれば揺れの軽減がされますし、腰へのダメージも和らげてくれるから確かに馬車の旅には非常に有用なアイテムですな。ではお言葉に甘えて。」

「私も良いの?それはありがたいけれど、私達の分は流石に足りないんじゃないかしら…?」

「大丈夫です。私はクッションを収納に10個程、固さが違うクッションを入れていますので、ここに居る全員に配っても余ります。」


「リンちゃん、それは流石に持ち過ぎだと思うよ。そんなに要らないでしょ。」

「いやいや。何を言いますか、ミチルちゃん。目的と気分に応じて固さは使い分けるでしょう。普通は。まだまだ人を駄目にするクッションには程遠いので追加で随時作っていきますけどね。…それで固さの希望とかありますか?」

「「貸していただけるだけでもありがたいのですから。」」

「じゃあ、適当にお渡しします。…はい。こちらがお二人の分です。で、これは使わなくとも良いのですけど、御者のバコスさんの分です。」


「なんと…私にも気を遣っていただけるとは…夢にも思いませんでした。ありがとうございます。リンさん。見ての通り、私は老人ですからな。ただ、私は自前のものがあるので大丈夫ですよ?それは皆さんでお使いください。」

御者席から顔だけこちらに向けるバコスさん。まぁ、ただの思いつきですし、オランド商会専属の御者ですし、クッションにも拘りがあるでしょうから受け取ってもらえずともしょうがないところはありますね。


「まぁまぁ。バコス。気持ちだけでも受け取ってやりなさい。その方がリンさんも気を遣わずに済むというものだ。」

「…そうですね。旦那様の言う通りです。リンさん、私もありがたく使わせていただきますね。」

「邪魔だったら言ってください。収納にしまいますから。」


「リンちゃん、私のは?」

まぁ待ってよ。ミチルちゃん。ちゃんと渡すから。リーデも、そんなキラキラした目で見つめないでよ。ちゃんと渡すってば。ほら。出来の良いやつはオランド夫妻とバコスさんに渡しちゃったからちょっとグレードは落ちるけどね。さて、私の分も。余った中で最も柔らかいものを、っと。うん。これかな。


私は全員にクッションを収納から取り出し渡しました。ああ…めっっっっっちゃ楽になった。揺れによる不快感が一気に消えた。流石だわ、クッション。皆さんの反応も…良好みたいですね。


例えば、オランド夫妻。

「これは…!私達が取り扱っているものより遥かに質が良いぞ…!体のラインに合わせてピッタリフィットする上、包み込むような弾力、暖かさまで兼ね備えている。」

「そうですね、あなた。とても座り心地が良いわ…でもこれは危険でもあるわね…人を離れられなくする悪魔だわ…!」

「確かに…流石にこれを広めるのは…良くない…か?」「どうかしら…すくなくとも私達では現状作れないもの。リンさん頼りになるし、大変よ。」

The・商人って感じのコメント。クッションでくつろぎつつも商品としての評価も忘れないとか、根っからの商人夫婦ですね。似た者同士のお似合い夫婦ですよねこの二人。


例えば、バコスさん。

「おお…!これは…!私も長いこと御者人生を送ってきましたから旅のお供にもこだわりはあったつもりですが、これは素晴らしい…!体を包み込むのは当然のこと、さらには身体に余計な負担を掛けぬように揺れから来る衝撃を分散させ、大幅に衝撃を減らした上で残った衝撃をクッションが吸収している。人に寄り添うクッションですな…!…これを仲間たちに自慢したら羨ましがられるな…!この出会いに感謝を…!」

感想はありがたいですけど、なんかガチすぎる…!しかも衝撃吸収はあたりだけど、衝撃分散なんてつけた覚えはないんだけどなぁ…⁉多分、中身に使った素材のおかげかな。ともかく長年の経験恐るべし…!


例えば、ミチルちゃんとリーデ。

「最高。これさえあれば生きていける自信があるよぉ…まぁ、でも確かにまだ人を駄目にするクッションには程遠いかな?リンちゃんのこれからの努力に期待…あ…寝落ちしそう…」

「ミチルさん、はしたないですよ。しかしそう言いたくなるのは分かります。流石ご主人さまとしか言いようがないですね。気を抜くとうっかり眠ってしまいそうではあります。私は鍛えているのでそんなミスは犯しませんが。」

うん。二人も割と気が抜けてるね。でも私もリーデも周囲の警戒は怠ってないけどね。

よし。だいぶ旅が快適になったかな。これなら7日の道のりでも乗り切れそうで一安心です。

筆が乗ったのだ。そして眠るまでが一日ということでまだ俺は眠ってないので本日二本目()

なお、本来の予定だとクッションの話はすぐに終わらせ昼飯まで食べるはずでした。

そういうことで次回もよろしくです。m(_ _)m

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