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71.第8章サイドストーリー「パンダの愛が止まらない」

 夜。

 神宮司家。

 リビング。

 神宮司姉妹が仲良くテレビの前に並んで座る。

 毎週楽しみにしているクイズ番組を視聴する。



「お姉ちゃん、わたしこのテレビ好き~」

「お姉ちゃんも好きよ葵ちゃん」

「えへへ~」






~~~~~映像~~~~~



アナ「今週もみなさんを不思議の舞台へ、異世界なろう発見!」



異世界ハンター「今週の不思議の舞台はフランス中部サンテニャンシュルシェール地方。画家、彫刻家、科学者と多彩な一面があった、かの有名なレオナルド ダ ヴィンチのお墓があるガイヤール城では――」



~~~~~~~~~~~~~~~







(カタカタカタ)



 夜。

 パソコンを打ち込む1人の女の子の姿。

 論文を執筆中。

 論文のタイトル。



『ジャイアントパンダの生態と歴史――平安高校パンダ研究部 部長 南夕子――』



 高校生活の3年間。

 青春のすべてを注いだその論文が間もなく完成の時を迎えようとしていた。


 だが、まだ、何かがこの論文に足りない。

 パンダ研究部部長、南夕子。


 論文を完成させるヒントが欲しい。

 自身の崇拝するパンダの大先輩が出演するテレビ番組を、毎週欠かさず視聴する南夕子。







~~~~~映像~~~~~



異世界ハンター「ではここでラストクエスチョン。フランスへの友好のあかしとして贈られたあるものとは、一体何だったのでしょう?」



(たらたらら~ん)



会場「え~~」

アナ「はい、それではここでラストクエスチョン。中元クリーニングさんの答えをどうぞ」



(じゃん!)



『お金』



会場「あはははは」

アナ「中元クリーニングさん、このお金と言うのは?」

中元クリーニング「誰だってもらったら嬉しいじゃないですか絶対~」

会場「あはははは」



~~~~~~~~~~~~~~~






 神宮司家。



「お姉ちゃん何かな~」

「フランスへの友好のあかし……浮世絵かしら?」

「じゃあわたしもそれにする~」

「あらあら葵ちゃんったら」

「えへへ~」






~~~~~映像~~~~~




アナ「それでは最後に白柳鉄子さんの答えです。白柳さん、最後にスーパーサトシ君で勝負ですね」

白柳鉄子「はい、大事にとっておきました」

会場「ははは」

アナ「それではラスト、スーパーサトシ君で勝負の白柳さんの答えをオープン」



(じゃん!)



『パンダ』



会場「お~」

アナ「白柳さん、この答えは?」

白柳鉄子「わたくし日本パンダ協会の名誉会長を仰せつかっておりまして」

会場「お~」

白柳鉄子「フランスの大使とお会いした際に、そのようなお話を記憶しておりまして」

会場「おお~」

アナ「さあ白柳さんの答えはいかに?答えはCМの後で」




(たららん たららんら~ん~)




~~~~~~~~~~~~~~~




 


 神宮司家。



「お姉ちゃん、わたしこれ好き~」

「お姉ちゃんも好きよ葵ちゃん」

「えへへ~」






~~~~~映像~~~~~




異世界ハンター「フランス中部、サンテニャンシュルシェール地方。わたしは今ボーバル動物園にいます」

会場「あ~~」

異世界ハンター「正解は…………パンダです!!」



アナ「そうなんです正解はパンダだったんです!!」



(たったった~~~)



会場「きゅーー」

白柳鉄子「やったわ~」

アナ「と言うわけで今週のトップ賞は、スーパーサトシ君で大逆転!白柳鉄子さんです!」



(たんたたた~ん たたたた~ん)



女子アナ「今週トップ賞に輝きました白柳鉄子さんには、ルックなろうBTSで行く、フランス・パリ5日間の旅が送られます~」

アナ「いや~白柳さん。今週の異世界の旅はいかがだったでしょうか?」

白柳鉄子「わたくし子供の頃からパンダを研究しておりまして、来月のフランス訪問に今日のトップ賞を使わせていただきます~」

アナ「それでは来週も不思議の舞台でお会いしましょう。異世界なろう発見!」




~~~~~~~~~~~~~~~




(カタカタカタ……)



 テレビ視聴が終わり、論文の執筆を途中で止める南夕子。

 この論文には、何かが足りない。


 行くしかない。


 日本にはいないパンダを求めて。

 フランスの動物園へ。


 旅行予約のサイトをオープン。

 カレンダーを確認。

 日時はゴールデンウイーク。


 羽田発、パリ、シャルル・ド・ゴール空港行き。

 机の引き出しからパスポートを取り出す。



「先輩、私も行ってきます」



 パンダの愛が止まらない。

 行き先はフランス、ボーバル動物園。

 論文を完成させるため、南夕子がフランスへと旅立つ。

 

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