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魔道の名門貴族に生まれたんだが俺だけ魔法使えない件について  作者: 大葉餃子大盛
第1章:緋と抱擁と
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6.対オーク


「そっちに一匹いったぞ!!」


大柄な斧使いが声を張り上げて危機を知らせる。


「囲んで動きを止めろ!」


飄々とした細身の槍使いがオークの動きを止めんと殺到する。



「彼のものに癒しの波動を!」


オークの棍棒を受けた負傷者がエリアスの呪文により癒される。





王都から東に10km、ここローバーの森ではオークを殲滅せんと冒険者、騎士、傭兵の集団でひしめき合っていた。


俺たちのパーティも今まさに前方2体のオークとの戦闘行動に入っている。



1体のオークが右手の棍棒を振り上げて殴りかかる。


まともに受ければ剣ごとぶち壊されること必須の一撃を態勢を低くして躱す。躱したままオークの足元を剣で突き刺し、動きを止める。オークの元から離脱後、続いて伊織さんの一刀がオークの右腕を切り落とす。武器を失ったとはいえ手負いのモンスター程恐ろしいものは無い。オークは左手で掴みにかかるが伊織さんも一撃離脱で既に脱している。


「潰せ」


止めとしてエリアスの魔法がオークに到達する。ほんの一言で完成する岩の弾丸がオークの胸に一撃、そのままオークの胸を貫通し、筋組織、背骨、体内の内臓を滅茶苦茶にかき回し、完全に絶命させる。



続いて残り1体のオークも同様の手順で片づける。一撃離脱、止めはエリアスに。



オークのような力の強いモンスターに対する場合は、どのようなパーティ構成でも一撃離脱が主なスタイルになる。殴打を受ける事も致命傷になるが、何よりも掴みを避ける為に深追いを避ける必要がある。2撃まではまだ許され、3撃目を加えることを考えてしまった場合・・・


「うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」


青年剣士がオークに足を掴まれ、中空に浮かび上がる。オークの体躯は小さくとも4mはあり、生身で助けにいくには余りに危険な領域に踏み入れなければならない。だが、


「貫け」


精密なエリアスの射撃がオークの腕を貫通し、オークは青年剣士を取り落とす。痛みに呻く隙に、オークの脳天に戦士の斧が一撃、汚らしい脳漿をまき散らし絶命。


「あ、ありがとう」


「集中しろ!次が来るぞ!」


多少のハプニングがあろうとも、死者を出すこと無くオークの殲滅が進んでいく。



30分後、森内のオークの殲滅が完了する。100体はいようかというオークの死体により、悍ましい血臭が森中に蔓延する。オークの死体はエリアスの空間魔法により全て亜空間に収納される。残った血の大河は、


「清浄なる流れよ、この空間を満たせ」


またもエリアスの水魔法により、一所に集められ、その後清められてただの水に変化する。



===============================================================================




「助かったよ!ありがとう」


「マージ様の、エリアス殿の献身に心から感謝致します。」


「嬢ちゃん達には毎回悪いねぇ」


「今度奢らせてくれ!」



実力主義の冒険者の認可を、王都を守る事に誇りを持つ騎士の誓いを、傭兵の温かみのある称賛を、一身に受ける俺たちのパーティ。



いや、、、真の意味で称賛が向けられているのはエリアスだろう。

エリアスがいなれけば、この戦線を維持出来たのかは分からないのだから。


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