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遙かなる望郷の地へ-70◆「公国軍進撃7」

■ジョフ大公国/ジョフ平原


 フレムの問いに、グランは大きな溜息と共に返してしまった。


「フレムの進言が正しい。リェスには悪いが、たしかにこれ以上の戦力を削いでしまったら我々は目的を達することは出来ないだろうな。後は連隊長たるリェスの力量に期待しよう。

 改めて通達しよう作戦の方針は変わらず。ただし、この戦闘の終結後の休暇があけたら、全軍を俺みずからしごくから覚悟しておけ」

「望むところですよ」


 気楽に言い切るマイラムに、フレムとアルノが苦笑した。と言うのも、マイラムは以外に“訓練オタク”で、暇さえ有れば麾下の軽騎兵第四連隊の訓練を行っていたからだ。シロウト同然の第四連隊が、短期間でそれなりの形になってきたのはマイラムの功績であった。


「我が装甲騎兵連隊も望むところです」

「LAGも後れをとるものではありません」


 マイラムに続けてフレムとアルノも決意を述べた。幾分、穏やかな物言いだったが。

 各連隊長の言葉に黙って頷いたグランは不敵に笑った。


「頼もしい限りだ。この戦いは諸国が見ている、我が軍の有り様を見せようではないか」


 まだまだ質量共に絶対数の不足している軍隊ではあるがグランは大いに満足していた。このまま組織が陳腐化せずに成長してくれれば良いと心から祈っていた。


「ところで、計画通りと言うことですと、明朝払暁と共に出発し、敵の背後に回り込む機動を行うと言うことで宜しいでしょうか?」


 フレムがグランに問うた。


「少なくとも行軍はその予定の通り行う。攻撃そのものは、所定の位置に到着し、敵の軍勢を確認してからの事になるが、コーランド軍より我が軍の方が先に仕掛ける事になるかも知れないな。

 付け加えるなら、事前の斥候活動は厳にするように」


“全てが予定通りに行ってくれれば良いが・・・”


 それは、まだ誰にも答えられる問いだった。

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