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遙かなる望郷の地へ-59◆「公国軍進撃2」

■ジョフ大公国/宮殿/大手門→OYT森林


「軽騎兵の弓矢か。本来なら遊撃の任に当たらせ、自由に動かしたい戦力なのだが」


 マイラム・トランターの説明が一段落するのを待って、グランは言葉を挟んだ。


「申し訳ないが、今回は籠の鳥だ。我が陣の中枢にて周囲に矢を居ることになるだろうな。もっとも何処を射ても当たるかかも知れないぞ」


 冗談に聞こえない台詞を用いた後。


「煽り役か? あまり好きな手法ではないが重装騎兵隊1個小隊を回そう」

「ありがとうございます。“煽る”と言うよりは、乱戦の時に進むべき方向性を示して貰う手助けをお願いしたいと言うのが本当のところですが」


 まだまだ練度不足ですから──そう言うとマイラムは苦笑した。


 マイラムとの話が一段落付いたので、今後の策を話す為に装甲騎兵連隊の指揮官たるフレム・リュティエンスと、LAGの次席団長であるアルノ・カリスタンを呼ぶよう指示を出した。程なく二人が馬を飛ばしてくる。


「リュティエンスであります」

「カリスタン、参りました」


 装甲を身に纏った、落ち着いた雰囲気の騎士が馬を走らせてきた。その後ろに、眼光も鋭い、細身の若い騎士が続く。


 行軍を止めない、まま新たに参加したフレムとアルノを含めて野戦会議を続ける。先ず先に中央軍装甲騎兵連隊隊長フレム・リュティエンスに指示を出す。 


「貴公の配下の中から新兵教練に経験がありそうな古強者で1個小隊ほど編成して欲しい。そうだな鬼教官と言われるくらいの奴が良いな! その小隊を第四連隊の後方に付け、何かと働いてもらうことになる」

「はっ。早速、精鋭一個小隊を第四連隊の後方に付けます」


 フレムは謹んでその指示を拝命する。次にLAGの次席騎士であるアルノに対し命令する。


「心して聞け。万が一、私が直接指揮を取れないような状態に成った折は、卿にこの混成部隊の指揮を取ってもらう、そうだなグラン戦闘団“KAMPFGRUPPE GRAN"と呼ぼうか」


 何かを言おうとするアルノの口を遮ると。


「まぁ俺だって、これから楽しいって時に死ぬ気は毛頭ないから心配する必要は無いが、ジャン・バルトが居ない以上は期待しているぞ」

「了解です、大戦士殿」


 短く答えると、アルノはLAGの騎士達に指示を与える為にその場を離れていった。

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