表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/91

遙かなる望郷の地へ-42◆「放浪の戦士2」

■ジョフ大公国/宮殿/宰相の部屋


 新たな侵入者に、グランは感謝した。

 グラン最大の悪癖『戦いになれば嫌なことは忘れていられる』からである。


「ジャン・バルト下がれ。 そいつが用があるとすれば相手は俺だろうよ」


 今までの腑抜けた感情は抜け、戦場での殺気を放出し始める。


「はっ!」


 一礼して、ジャン・バルトは三歩後ろに下がり、グランに道を譲った。無論、何時でも介入できる位置を保持することは忘れない。


「悪いが俺は口の達者な奴は大嫌いでね。少なくとも味方には見えないしな」

「やれやれ。ボクに構っている暇があったら、自分のやるべき事をやった方がいいと思うけどね。まぁ、いいさ」


 皮肉っぽく笑うと、グランを見やる。


「敵味方の区別くらいつけようよ。言っただろ? ボクは敵じゃない。だいたい、敵だったらキミも、ここにいる人たちも、とっくにお亡くなりになってるヨ。ねぇ、ボクにはそれくらいの実力、あるでしょ?」


 最後のセリフは、ジャン・バルトに向けられたモノだった。


「くっ・・・大戦士殿。確かに小奴、腕がたちますぞ」

「認めてくれて痛み入るよ。さて、どうするかい? 大戦士さん」


 斜に構えて、気怠そうに言う割には、その双眸はキラキラと輝いていた。


「・・・まぁいい、敵でない貴様が何用で此処に現れた?」


“こいつのペースに飲まれるな”


 意識は危険信号を発しつつ、無視してレアラン姫を追うわけにもいかず――グランは己の殺気を鎮めつつ続けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ