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遙かなる望郷の地へ-37◆「開戦前夜12」

■ジョフ大公国/宮殿/宰相の部屋


「大公女さま」


 グランから散会宣言が出た後、レムリア姫はそっとレアラン大公女に歩み寄った。


「わたくしも、大公女さまの元に馳せ参じることに致しました」

「レムリア姫さま! わたくしのところなど・・・斯様な危険な場所に、貴女さまにいらして頂く訳には参りません!」


 レムリアの言葉に驚いたレアランの声が思わず高まる。

 しかし、そんなレアランにレムリアは諭すように続けて言う。


「わたくしも、大公女さま同様に“盾を持つ乙女”の身です。お国の存亡に係わる事態にあって、どうして安全な場所に引っ込んでいられましょう」


 貴女にもお判りでしょう? そう言うかのようにレムリアは静かな笑みを浮かべた。


「・・・でも・・・」

「良いのです。もう決めてしまいましたから。それに、大公女さまの傍らに立つのは、わたくしだけではありませんことよ」


 レムリアは、逡巡するレアランの背中を押すように、グランに下知された作戦について、声高にやりとりを交わしている人々を指し示した。


「今は、剣の一振りたりとも必要な時。これも定めとお思いになって、わたくし達の我が儘を受け入れ下さいませ」

「・・・わかりました。レムリア姫さま、宜しくお願い申し上げます」


 思わず差し出された手を、レムリアはしっかりと握りしめた。

 未来への希望が伝わるような、暖かいモノをレアランとレムリアは互いに感じていた。

 長かった開戦前夜もこれで終了です。次回は、状況が急転直下します。乞うご期待!

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