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遙かなる望郷の地へ-33◆「開戦前夜8」

■ジョフ大公国/宮殿/宰相の部屋


 いつしか執務室は軍令部の様相を呈している。

 グランは、自分の意見がやや抽象的過ぎたことに気がつき少々の補足説明を行った。


「作戦そのものに依存は無い。俺が思うのは先手は敵に与え、我らは『後の先』の戦術を取りたい。つまりは防御陣には高度な柔軟性を持たせ、敵を引きずり回すことにより攻勢に対処する。

 当然、勢いに乗る敵前面の指揮官の苦労は察しがつくが、敵の一時的なものにせよ攻勢限界点か隊列の乱れに乗じ、側面もしくは背後から伏兵たる機動戦力を局地的に投入する。

 危険な手法ではあるがより効果的に打撃を与えられるのではないか?」


 周囲に考えが浸透するように一拍置くと先を続けた。


「それと、付け加えるなら我が伏兵は両翼の森に配するのではなく、片方は陽動としてダミーとし、戦力の集中的運用を図ってはどうか?」


 グランの説明に、ジャン・バルトが復唱する。


「公都正面に相手を出来得る限り引きつけた後、両翼が後方を遮断して包囲殲滅戦に入るという大戦士殿の策には原則賛成です。しかしながら、片翼だけで包囲戦を行うことに関しては、些か懸念を覚えます。レスコー殿の重騎兵連隊は兎も角、他翼を担当する我が軍の2/3は練度不足の軽騎兵第四連隊です。包囲攻撃の“やっとこ”を形成するのが精一杯かと思われます」


 場の雰囲気を乱さず穏やかに発言する辺り、流石はLAGの筆頭騎士と言ったところだろうか。


「騎兵は走り続けている限り、相手に補足されることありません。故に寡兵であっても、包囲網を支えられると考えられます。しかし、そうは言っても絶対戦力自体は不足しております。故に両翼には単一の作戦目標を与えることにしては如何でしょうか」

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