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遙かなる望郷の地へ-13◆「宰相の元へ」

■ジョフ大公国/宮殿/大広間


「こちらは・・・」


 ちらりとレムリアの様子を確認してから、エリアドは言葉を続けた。


「・・・問題ない。」


 実際問題として言えば、ヒラリーにせよ、ディンジルにせよ、けして好き嫌いの問題だけで席を立ったわけではあるまいが、“黒のアルカナ”たちのことと言い、こうしたことはいずれ避けて通れぬ問題となろう――そんな予感がレリアドにはあった。


 “そうなった時、私は・・・いや、私たちはどうするべきなのか・・・”


 自分一人のことなら、どうとでもやりようはある。だが、自分たちの答えが周囲の者たちをも巻き込むとしたら・・・。

 明確な答えは、エリアドには判然とはしていない。


「・・・カイファート殿の話は、彼らがいなくてもよいのかな」


 三人が出ていった扉の方を見て、エリアドはレアランに問い掛ける。


「話の内容は存じておりませんが、居て貰った方が宜しいかと思います」


 意志の力を振り絞って、レアランは笑顔を浮かべた。

 不安な表情を見せては駄目だ──そう自分に言い聞かせる。


「わたくしが、方々をお呼びして参りましょう」


 状況を察して真っ先に声を掛けたのは、またしてもこの人だった。

 レムリアは柔らかい笑みを周囲に向けると、隣のエリアドに一つ頷いて席を立つ。


「大公女さま、方々をお連れするのは、直接カイファートさまの執務室、で宜しいでしょうか?」

「はい。そのようにお願いいたします」


 大変お手数をお掛けします、と申し訳なさそうに頭を下げるレアランに、心配ない、と言うようにちょっとウィンクするとレムリアは大広間を出ていった。


「わたくしたちも支度をして、カイファートさまの執務室に参りましょうか?」


“それもこれも、オレの不調法のせいか”


 心の中で思うと、これ以上レアランに負担を掛けぬ為に、グランは抑えて振舞うことにした。


「細かいところは姫に任せまる事にしよう。それではおのおの支度を済ませてカイファートの所に向かうことにしよう」


 そう言うと、グランは立ち上がった。

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