第二十四話 舞台の裏側
福知大和が覚悟を決めて告白した日の翌日。土曜日の夜のことだった。
「言ってた通りだろ? 避けられてる訳じゃなかった」
「良かった」
ナイゼリヤで禁煙席に座る影が二つ。ドリンクバーと料理を何品か注文し、夕食を済ませつつ会話が行われていた。
二人とも顔の整った若い高校生で、片方が男子、片方が女子。頼まれた品の七割程度が女子が頼んだ物で、一般的な男女が食べる量の比率とは異なっていた。
「大和には、結局教えたのか? 誰が好きなのか」
「うん」
二人は遠目に見ればカップルだが、彼らの関係はそうではない。女子の悩みに、男子が付き合っている形だ。
「福知も、協力してくれるらしい」
「そうか。あいつメンタル強いな」
「今日は、まだ、心の整理をさせて欲しいって」
男子はドリンクを飲み干し、女子のコップも空になっていることを確認した。二人分の飲み物を一緒に入れて来ようと席を立つ。
ジュースをコップに入れ、席へと戻って来た。男子はソファに座ると口を開く。
「じゃあみう、そろそろ始めるか」
「うん」
かくして、天橋立也と伊根町美海の第三回恋愛相談が始まった。
これにて、第二章完結です!
ここまで読んで下さった皆さんに、圧倒的感謝!