3/3
03
私はローストチキンか
肌を焦がさんばかりの風の熱さになんだか惨めになって来きた。
私は、その場に崩れ落ちた。
だめだ、もう。
いきなりこんな状況になって、もうヤダ。帰りたい。
「ああぁああああぁぁぁぁあぁぁぁあああああああああ!!!!!!」
「はぇ!?」
私のものではない叫び声に思わずまた変な声が飛び出た。
「あああああああああぁぁぁぁ!!!」
叫び声の方向に恐る恐る顔をむける……と
「……あ」
叫んでいたのは、
「なんだろあれ……ボール?」
半分角材に埋っている、人の頭ほどの、青いボール。
火の粉が飛び散る炎の海と化している中で、その身を震わせ懸命に叫んでいる。
「あああああああぁぁぁぁ! あ! あ! だっれか!!」
「!?」
「助けて! まだ、生まれてない!!」