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03

 私はローストチキンか

 肌を焦がさんばかりの風の熱さになんだか(みじ)めになって来きた。

 私は、その場に崩れ落ちた。

 だめだ、もう。

 いきなりこんな状況になって、もうヤダ。帰りたい。


 「ああぁああああぁぁぁぁあぁぁぁあああああああああ!!!!!!」


 「はぇ!?」

 私のものではない叫び声に思わずまた変な声が飛び出た。

 「あああああああああぁぁぁぁ!!!」

 叫び声の方向に恐る恐る顔をむける……と

 「……あ」

 叫んでいたのは、

 「なんだろあれ……ボール?」

 半分角材に埋っている、人の頭ほどの、青いボール。

 火の粉が飛び散る炎の海と化している中で、その身を震わせ懸命に叫んでいる。

 「あああああああぁぁぁぁ! あ! あ! だっれか!!」

 「!?」

 「助けて! まだ、生まれてない!!」


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