ハニートーストの場合
ハニートースト。
それはトーストした食パンに、たっぷりのはちみつが染み込んだ甘ーい甘ーい軽食である。
「あ、おい! ちょ、待てって!」
瞬く間に食パンは袋を脱がされていた。
はちみつ先輩の顔が目の前に迫る。
綺麗好きな食パンは、ベタベタするし甘過ぎるからはちみつ先輩が好きじゃない。
「……待てない」
食パンの制止も聞かずに、はちみつ先輩は食パンにのし掛かる。
「うわっ! ぉ、んん……ッ」
『おい!』と制止しようとした瞬間、口を塞がれた。
何か悪態の一つでもついてやろうと口を開こうとすればするほど、甘さが口に広がる。
(クソ……あめぇ)
甘さが食パンの脳を麻痺させた。
はちみつ先輩に、その真っ白な肌を触られると、身体がゾクゾクと震える。
「美味しい?」
「……ッ、う、るせ……」
食パンの肌を怪しく撫でるはちみつ先輩の指が、イイところに触れた。
「んあ、ッ……」
食パンの反応が変わった事を、はちみつ先輩が見逃すはずがない。
「ここ、がイイの……?」
食パンは力なくはちみつ先輩を睨んだが、甘くなった身体は意思とは反対にビクンと跳ねた。
「ふ~ん……ここがイイんだ?」
ニヤリと笑ってはちみつ先輩がソコを舐める。
「う、ぁ……やめ、ろ」
言葉は否定するが、身体の反応は止められない。
食パンは身体の奥が熱くなっていくのを感じていた。
(ヤバい……これ以上は、マズい)
一瞬、はちみつ先輩の手が弛んだ。
甘さの余韻に酔いしれる。
「はぁ……はぁ、」
その一瞬が思考の遅れを生んだ。はちみつ先輩の指が、食パンの中心に触れた。
「なッ! やめ、ッ」
そのままはちみつ先輩が食パンのナカに染み込んでくる。
「食パンの、ナカ……ッあ、つ……」
はちみつ先輩は食パンのナカで、熱を帯びてトロトロと溶ける。
「う、るせー……、はぁ、あ」
食パンは最後の理性で悪態をついた。
でもどんどんはちみつ先輩がナカに染み込んで美味しくなる。
「もっと、美味しくなりたい……」
「お、前……やめ、ろ……ん、あッ」
「ん……ッ、はぁ、おいしいよ……食パン、」
「、は、あ……ぁん、んあぁッ!」
「どう? 美味しかった?」
はちみつ先輩がニッコリと聞く。
食パンは自分の手をペロリと舐めた。
「あめーよ、馬鹿」
こうして、美味しいハニートーストが出来上がりました。
どうぞ、召し上がれ。