表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/62

デザイン

昼過ぎにオレは、外出した。

婚約指輪のデザインの事で、兄さんに相談にのってもらいたかったからだ。


「おっ、いらっしゃい」

店に入ると兄さんが声を掛けてきた。

「兄さん。相談にのってもらいたいことが…」

オレは、兄さんに近付いて言うと。

「何?デザインの事か?」

乗り気で聞いてくる。

「そうなんだ。婚約指輪のデザインを考えてて…」

オレが言うと。

「婚約って…。お前、まだ高校生だろうが…」

驚いた顔をする兄さんに。

「そうだけど。近々婚約するから、指輪が無いとカッコつかないだろ」

オレの言葉に。

「はぁー。お前がなぁ…。わかったよ。一点物にしてやるから、案があるなら言えよ」

そう言いながら、奥に移動する兄。

オレは、その後に続く。

「で、モチーフは?」

「四つ葉のクローバで、石はエメラルド。四つ葉の中央にピンクダイヤをあしらって欲しいんだけど…」

オレが言った言葉で、スケッチに書き留める兄。

「こんな感じか?」

「そうそう。で、茎が少し入ってる感じで」

付け足すように書いていく。

「こうか?」

兄さんが見せてくれた。

「流石、兄さん。それです」

「おだてても、何もないぞ」

兄さんが、苦笑して言う。

「…で、何時ぐらいに出来そう?」

「う~ん。それって、急ぎってことか?」

「なるべく早く欲しいんだ」

「わかったよ。出来次第、メールか電話する」

そう言って、笑顔を見せる兄さん。

「それと、その指輪に合うネックレスチェーンも一緒にしてくれると助かるんですが…」

オレの言葉に。

「わかったよ。ネックレスの方は、俺からのお祝いってことでいいな」

兄さんが、そう言ってオレの頭を叩く。

「ありがとうございます。無理を言ってすみません」

オレは、兄さんに頭を下げた。

「いいって事。…で、その彼女には、会わせてくれるのか?」

兄さんが、ニヤニヤしながら聞いてきた。

「機会があれば、会わせてあげますよ」

オレは、そう言って店を出た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ