もしかして、迷惑?
今回は、短めです。
「堅苦しい挨拶は無し。…で、部屋はどうしようか…」
なんか、機嫌が良いみたいだ。
「優基の部屋でいいですよ」
遠慮がちにそう答えたオレに。
「でも、歩くのが辛いでしょ?一階の客間を使って。そうとなったら、片付けなきゃね」
そう言うとリビングを出ていく、お母さん。
「ゴメンね。お母さん、護の事好きだから、何でもしたくなるんだよ」
詩織が、苦笑しながら言う。
「嬉しいよ。でも、迷惑じゃないかな?」
本当によかったのかなぁ?
迷惑かけてるんじゃないか?
そう思った。
「迷惑なんて、思ってないよ。私も嬉しいし……」
詩織が、照れながら上目遣いでオレを見る。
そこで、それは無いだろう。
「それなら、いいんだが…」
オレの気にしすぎ?
「こらこら、そこでイチャつくな」
隆弥さんが、苦笑を浮かべて口を挟んだ。
「はーい。あっそうだ。部屋から護の制服下ろさなきゃ」
詩織は、突然思い出したかのようにリビングから出ていった。
「護。お前、詩織からチョコ貰ったか?」
そんな詩織を目で追ってたオレに隆弥さんが聞いてきた。
「いいえ。それどころじゃなかったんで……」
オレは、首を横に振って答えた。
朝の事を思い出す。
詩織がソワソワしてたのは、今日がバレンタインデーだったからか…。
「そっか…。言わない方がよかったか…」
隆弥さんが、意味深な言葉を呟く。
「じゃあ、俺バイトだから…」
そう言ったかと思うとリビングを出ていった。