隆弥さんの宿題の答え。
気がつけば、年の暮れ。
オレは、勉強に明け暮れていた。
そんな時だった。
truuu…truuu…。
携帯が、鳴り響いた。
画面を見ると隆弥さんからだ。
オレは、慌てて電話に出た。
「はい」
『元気にしてたか?』
「元気ですよ」
オレは、何気にそう答えていた。
『で、そろそろ答えが出た頃かと思ってな。その返答次第で、詩織に会わせてやるよ』
隆弥さんのマジな声。
『お前にとっての詩織の存在価値は?』
「オレにとっての詩織の存在は、無くてはならないもの。だけど、自分の想いばかりを押し付けても、相手が…詩織が傷つくことがあるんだと改めて考えさせられた」
隆弥さんの質問に戸惑わずに答えることができた。
これも、詩織の手紙のお陰だ。
詩織が、手紙に託した思いを受けとることができたからだ。
『そうか…。初詣、お前の親父さんとうちの家族でいかないか?明日の十時に駅で待ち合わせな』
隆弥さんの柔らかい声が聞こえてきた。
それって…。
『護?聞いてるか?』
隆弥さんが、怪訝な声を出す。
「はい!聞いてます」
慌てて返事を返す。
『じゃあ、明日な』
「はい!!」
オレは、嬉しくて、声が上ずった。
って、親父に連絡。
慌てて、親父の携帯に電話した。
『珍しいな。お前から電話もらうとは』
電話に出て最初の言葉だ。
確かに、オレはよっぽどじゃないと、親父になんか電話しないもんな…。
「親父、悪いけど、明日休めるか?」
オレは唐突に問いた。
『なんだ?急にどうしたんだ?』
親父もオレの唐突な言葉に驚いてる。
「明日、詩織のとこの家族と一緒に初詣に行くことになったんだよ。で、親父も一緒に連れてきて欲しいって言われたんだけど…無理か?」
オレは、かいつまんで説明すると。
『そういう事か…。わかった、大した事件もないし…。明日、有給を取るよ』
親父が、渋々だが承知してくれた。
『お前の大好きな詩織ちゃんのためだ。休んでやるよ』
って、豪快に笑い出した。
「親父……」
電話口でたじろぐオレ。
『用件はそれだけか?』
「ああ」
『じゃあ、切るぞ』
親父は、そう言うと電話を切った。
明日、久し振りに詩織に会える。
今から、楽しみでしょうがない。
早く、明日にならないかなぁ…。
って、遠足を待ちわびてるガキみたいだ。
自分で、笑ってしまう。
だが、今は自分に課せられてることをやりとげなければ……。
その思いで、一杯だった。
いやはや。
前回、頑張って書きますって言っときながら、約一ヶ月空いてしまいました。スミマセンm(__)m
えーっとですね。
本編のアクセス数が、3万件越え、しかも、続の方も2万件越えしました。
読んで(目に止めて)頂いて、本当にありがとうございます。
拙いながら、一生懸命書いておりますので、これからも目に止まったおりには、読んでいただけると嬉しいです。
では。