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プロローグ
オレは、玉城護、高3。
去年からオレは、片想いしてる。
彼女を探す為に、優基にあれこれ聞くが、いつもはぐらかされる。
「優基。いい加減彼女の名前ぐらい教えてくれよ」
「悪いな。彼女が、誰にも教えるなって言ってるんだよ」
優基が、意味深な言い方をする。
「ほんとかよ?お前がわざと教えてくれないだけじゃないのか?」
「そんなことない。まぁ、彼女は、お前の事知ってるけどな」
優基の声が小さくなる。
「じゃあな。俺も練習あるから……」
そう言って、音楽室に行ってしまう。
仕方ねぇ…。
今日は、諦めて部活に行くか…。
そして、部室に向かう。
部室に向かいながら、彼女に会えないかと淡い期待をしてはいるが…。
なかなか会えない。
同じ学校のはずなのに…。
何故、会えない?
不思議だった。
そんな時だった。
部活が終わり、ふと視線を感じて振り返る。
そこに、オレが探していた彼女が居た。
オレは、急いで着替えて彼女が居るであろう、教室に向かった。