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後篇

注意:意味不明のハイテンションが続きます

何度か世界のパワーバランスを崩した、といったな。

このかあいいものをどうにかした、ということだよな。

てぇめぇええのちいいはああなぁにいぃろぉおおおだぁあぁあWRYYYYYYYYYYY

……

………


っちまった……」


「素晴らしき……ヤンデーレpowerウヒッヒ」


男は立ち上がった。


生きて……いるのか? いや、人格的に大切な部分が死んでいるような気がする。


「ウヒッ……それなら各国のスパイ倒すのも余裕じゃねえ? 実はよぉ、世界のパワーバランスを崩そうとする人間がたくさんいるのでアルヨ。この封印された力……オタァークエネルギィを解放したら奴らなんかひとひねりなんだけど、それじゃ世界が滅んじゃうんだどん。N○Kのマイドン萌えウヒッ……は、離れろ、今の私は危険すぎる……ウヒッウホッ」


うわあ……やばい、こいつはやばい。とても面倒くさい。私以上に面倒くさい。

なんか、ごめん。

わかった、協力するよ。協力するから。


「分かればいいんだどん」


…うぜえ。


「とにかく、そのパワーバランスを崩さないようにすればいいんだどん♪ まあ、えさと散歩やればいいだけだよ。あと、世界の破滅を狙うやつらが襲ってくるから、持ち前のヤンデーレパゥワでっちまいなッ」


普通に話すときに死んだ目をするの自重しろ。

…しかしまあ、パワーバランスって抽象的なものなんじゃないのかね。


「お前にわかるわけないから説明しないんだどん、クエックエックエ。ばか。クエッ」


…つくづくうぜえ。同じ土俵にはあがらないからな。


「用件はそれだけ……だ」


お、やっとストーカーのまともな部分が戻ってきた。


「世界は、滅ぼさせない……パワーバランスを頼む。ぐふっ」


確かに危険だな、中二病。


「オタァークエナジィ。ダークサイド。……ぐふっ」


言うならもっと勢い付けろよ。


というわけで私は派遣業をつづけながら、世界のパワーバランスの主人になった。

散歩の途中で襲いかかってきた各国のスパイという名の変態どもと激闘を繰り広げ、拳でしか分かり合えない部分において十分に友好を深め、時には拳でパワーバランス萌えについてひとしきり語り合えるまでになった。割と、以前の生活と変わるところはなかった。これまでも、いろいろなものと戦ってきたからだろうか。


そんな日が続いた週の末日に、ひさしぶりにあの自称神様に出会った。


「世界のパワーバランスとは日常によって成り立つ」


お前、もう(気障な感じでしゃべって)大丈夫なのか。


「大丈夫だクェ……なに、あれほどの傷、どうってことないどン」


聞かなかったことにするね。


「パワーバランスはどうだクエッ?」


元気だよ。そして相変わらずかあいい。


「必死で戦ったところに、平和ができる……たぶん、そんなものだどン」


お前の語尾については、当分平和は来ないだろうな。


…だれもが、戦っているんだね。


「そうだどん♪」


あんたは戦わないの?


「…何と」


自分の人生とかと。


「戦っているさ」


うそつけ。逃げてんだろ。逃げている。もっとも目の前にある感情から。


「!!」


パワーバランスをもらって、私、嬉しかったんだよ。あと、キャッチボールとか。

戦わないの?

私は戦うよ。戦って戦って、いつか負けて死ぬ。

一緒に戦ってよ。負けるまで一緒に勝とうよ。


「俺は……」


何があるとか、ないとかじゃないでしょ。

つまり、私に付き合う気があるのかということ。

イエス・ノーのどっちよ?


「イエス」


ふっ。


「私はイエスだ。つまり、神だ」


…うぜえ。


というわけで、私と自称神様は二人で世界のパワーバランスの散歩に行くことになった。


「結構ヤンデレもいいかもだどん」


どん、もいいかもね。


本当の神様世界のパワーバランスをどうか崩さないでくださいそしてできれば弱肉強食がルールとなっている世界の中でこんな二人組が馬鹿な会話をしながら生きていくことを見逃してください最初はあんたの存在なんか信じなかったけれど今なら少し信じられる気がするよあとできれば戦争やら飢餓やら地雷やら差別と偏見やらを減らしてくださいそれからそれからとりあえず私が思いつけるすべてのいいことが起こりますようにあもしかしてこの自称神様をよこしてくれたのってあんたなのかなだとしたら結構感謝すべきですよねそうですよねそれからああいろいろとあんたを恨んだこともあったけれどそれは水に流してくださいそれから好きです大好きです何度も言わせんな恥ずかしい。


「私は神だ。石山多恵、今考えていることはわかっているぞ。パワーバランスがかあいいということだろう! そして私をうざいと思っているのだろう!」


何度も頭の中で言わせんな恥ずかしい。


fin

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