25 買い出し
昼食が終わったら、当座必要なものの買い出した。
最低限の服は購入したけれど、今はお金が十分にある。
服類や下着、靴等の替えはわりと簡単に、かつあっさりと揃えた。
「本当はもう少しいいブランドのとかもあった方がいいんだろうけれどさ。知識がなくて悪い」
「充分以上。今着ているものも、前に比べたら軽いし、着心地がいい」
なかでも気に入ったのは靴のようだ。
おしゃれな奴ではなく普通の運動靴とサンダルを購入し、買ってすぐブーツから運動靴に履き替えた。
「これも軽くて楽」
「足に合わないとかはないか?」
『近未来予知魔法で買った後の満足度を調べて選んだ。だから大丈夫』
近未来予知魔法、思った以上に万能だ。
更に100均で文字練習用のノートやシャープペンシル、練習帳なんてのも購入。
本当は布団も買おうと思ったのだけれど、衣緖菜が反対した。
「一緒の方が安心出来る。陽翔が嫌でなければ、今のままがいい」
そりゃ嫌ではない。
ただ間違いなく煩悩に悩まされるのと、実際に行為をしてしまうだろうということと、これでいいのかという思いとが……。
それでも結果として買わないことを選び、そして1階の食料品売り場へ。
「食料品だけれど、あとどれくらい収納出来る?」
何せ交通機関が自転車、電車、歩きだ。
持って歩ける量には限界がある。
衣緖菜の魔法収納は50kg近い容量があるけれど、入ったままの装備などがあるから、どれくらい空いているかは本人でないとわからない。
「まだ30kgは空いている。入れている間の時間経過は無いから、何を入れても問題ない」
遠慮なく購入しても問題ないようだ。
「なら来週買い出しに来るまで、衣緖菜が食べる分を思い切り買っておこうか」
「私だけでなく陽翔の分も必要」
いや、それは俺的には反則だ。
「これは本来、衣緖菜のお金だしさ」
衣緖菜のために、衣緖菜の魔法で稼いだお金だ。
だから俺が出した2万円弱の分以外は、基本的に衣緖菜のためだけに使うべきだろう。
そう思うのだけれど……
『私1人では、魔法があっても出来ない事がほとんど。それに私のこの世界の知識は陽翔のおかげ。だからこれは2人のお金』
「でも衣緖菜用のつもりだったしさ、元々」
「陽翔と私、両方の分」
『そうでなければ、食料は必要ない。一緒に同じ物を食べる』
俺は給食があるから大丈夫、なんて言っても平行線になりそうだ。
それにこれだけ稼げば、1ヶ月以上は大丈夫だろう。
毎日菓子パンかカップラーメンというのも、正直飽きたというか、うんざりしているのが実情だ。
もちろんこのことは、衣緖菜も気付いているだろう。
昨日までの俺の知識や記憶を全部持っているのだから。
「わかった。2人分買おう」
「さっきのハンバーグやチキンが美味しかった。あれに近いのはどれ?」
「同じのはないけれどさ。近い物をいくつか選んでおこう」
まずは惣菜コーナーで唐揚げ、焼き鳥、ハンバーグを中心に大量にカゴに入れる。
「ハンバーグはチルドや冷蔵にもいいのがあると思う。あと野菜類も買っておこう」
衣緖菜の魔法で加熱や冷却ができるから、チルドだろうと冷凍だろうと問題ない。
食器や鍋類は、父のキャンプ用品を漁って持ってくればいいだろう。
ブームに乗って買ったけれど、ほとんど使っていないから。
あとはサラダなどの野菜類も当然必要だろう。
主食となるパンやパックごはん、おにぎりも大量に。
朝食用に、期限切れではないクリームパンとジャムパン、サンドイッチも。
更にドリンク類。愛媛名産柑橘ドリンクは、棚にあった1Lの紙パック6個全てを購入。
更に乳酸菌飲料とか、他の果物のジュースとか、ペットボトル飲料も。
結果、食料だけでカートにカゴ3つのせて目一杯となった。
「収納は大丈夫だよな」
他人に聞かれないよう、人が少ないところで確認。
『この程度なら問題ない。あと……20kg程度は大丈夫』
4万円ちょいという、スーパーのレジで出すのは初めての金額を、先程の競輪で儲けたお金から支払う。




