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リ・プロンプト:1999 —10KBのメモリに宿る2026年の相棒AIと、失われた未来を再定義する—  作者: れーやん


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第2話『1.54Mの賭け金』

ダイヤルアップの電子音が、深夜の子供部屋に響いていた。


ピー、ガガガガガガガ、ピーヒョロロロロ……


1999年9月1日。午前2時17分。


鳴海航は、父の書斎から「借りてきた」PC-9821の前に座っていた。


CRTモニターが放つ熱。冷房のない部屋に籠もる、プラスチックと埃の匂い。デスクトップには、Windows98のあの草原の壁紙。懐かしいというより、もはや遺物だ。


隣に置いたF501iの画面に、アイリスの文字が浮かぶ。


『接続完了。回線速度28.8kbps。2026年基準で言えば、約0.0005%のスループットです』


「知ってる」


『知っているなら、なぜ溜息をつくのですか。非効率です』


「……お前に言われたくない」


鳴海は、モニターを見つめた。


ブラウザはInternet Explorer 4。画面には、松井証券のトップページがゆっくりと、本当にゆっくりと、読み込まれていく。画像一枚に30秒。この時代、「ネットで株を買う」という行為自体が、まだ冒険だった。


問題は、そこではない。


『マスター。確認ですが、13歳の未成年者は証券口座を開設できません』


「知ってる」


「親権者の同意があれば、未成年口座の開設は可能です。しかし、あなたの父親は——」


「株なんかギャンブルだ、って言うタイプだな。知ってるよ、27年間ずっと聞かされてきた」


鳴海は、椅子の背にもたれた。


2026年なら、この問題は簡単だった。自分名義の口座がある。資産がある。信用がある。しかし今、彼が持っているのは、13歳の肉体と、3,000円の小遣いと、月額3,000円のパケット代だけだ。


『提案があります』


「聞こう」


「1999年当時、未成年者が株式を間接的に保有する方法が存在しました」


画面が切り替わる。128文字の制約の中で、アイリスは必要な情報だけを抽出する。


『贈与です。祖父母から孫への株式贈与は、年間110万円まで非課税。あなたの祖母は、1999年時点でまだ——』


「……生きてる」


声が、震えた。


婆ちゃん。埼玉の奥、秩父の山奥で一人暮らしをしていた、あの婆ちゃん。2003年に亡くなった。葬式の日、雨が降っていたことを覚えている。


「鳴海ヨシ。享年78歳。2003年11月逝去。現時点では74歳」


「……お前、デリカシーってものを学習し直せ」


『10KBにデリカシーを格納する余裕はありません』


毒舌が、逆に救いだった。感傷に浸っている暇はない。


鳴海は、深呼吸した。


「つまり、婆ちゃんに株を買ってもらって、それを俺に贈与してもらう。そういうことか」


『正確です。ただし、課題が二つあります』


「言ってみろ」


「一つ目。あなたの祖母は、インターネットはおろか、携帯電話すら持っていません。証券口座の開設には、対面での説明が必要です」


「……秩父まで、どうやって行く? 中学生が」


「二つ目。仮に口座を開設できたとして、ヤフー株の最低購入単位は1株=154万円。あなたの祖母の年金は——」


「月12万だ。貯金は……多分、200万くらい」


「一世一代の賭けを、74歳の老婆に強いることになります」


沈黙が、部屋に落ちた。


CRTモニターの微かなハム音。窓の外では、まだ蝉が鳴いている。秋の気配など、どこにもない。


「……アイリス」


『はい、マスター』


「お前は、俺に何を求めてる?」


画面が、一瞬だけ消えた。


処理落ち。10KBの限界。アイリスが「考えている」時の、あの特有の間。


やがて、文字が浮かぶ。


『私は何も求めていません。私はただ、あなたが決断するための情報を提供しているだけです。決断するのは、常にあなたです。27年間、そうだったように』


「……」


『ただし、一つだけ言わせてください』


「なんだ」


『あなたの祖母は、2003年に亡くなりました。遺産は、あなたの父親と叔父で分割されました。その後、叔父はその金を事業に投じ、失敗し、2008年のリーマンショックで自己破産しました』


知っている。


その話は、何度も聞いた。父が愚痴のように繰り返した、「あいつは馬鹿だ」という言葉と一緒に。


『あなたの祖母の200万円は、どのみち消えます』


「……」


「それを消える場所に置くか、増える場所に置くか。それだけの違いです」


鳴海は、目を閉じた。


三十九年分の記憶が、脳の奥で渦を巻く。


婆ちゃんの笑顔。秩父の古い家の匂い。縁側で食べたスイカの味。「航は賢い子だねえ」と言いながら、頭を撫でてくれた、あの皺だらけの手。


そして——


2003年の葬式。雨。泣けなかった自分。


「……わかった」


目を開ける。


「明日、学校が終わったら、秩父に行く」


『交通手段は?』


「電車だ。西武秩父線。片道1,200円くらいだったはずだ」


『所要時間は?』


「2時間半。学校が終わるのが4時だから、秩父に着くのは6時半。日帰りは……」


『不可能です』


「知ってる」


鳴海は、立ち上がった。


「泊まりになる。親には……そうだな、『塾の合宿』とでも言うか」


『虚偽申告ですね』


「文句あるか」


「ありません。効率的です」


アイリスの文字が、微かに揺れた。


まるで、笑っているように。


---


1999年9月1日。午前8時23分。


三郷市立皐月中学校。


校門をくぐる鳴海の背中を、夏の終わりの日差しが焼いていた。


制服のシャツが、すでに汗で張り付いている。セミの声。グラウンドから聞こえる野球部の掛け声。どこかで誰かが「ノストラダムスってやっぱ嘘じゃん!」と笑っている。


7月に、人類は滅亡するはずだった。


1999年7の月、空から恐怖の大王が降ってくる——。鳴海が小学生の頃から、日本中がその「予言」に熱狂していた。終末論。UFO特番。カルト宗教。そのすべてが、8月1日を境に、嘘のように消えた。


まるで、何もなかったかのように。


俺だけが、別の「終末」を知っている。


2026年。あの日、何が起きたのか。なぜ俺は「戻ってきた」のか。アイリスは、まだ何も教えてくれない。彼女自身も、わかっていないのかもしれない。


「——お、鳴海じゃん!」


声をかけられた。


振り向くと、日焼けした顔が、ニカッと笑っている。


三十九年の記憶を検索する。0.8秒。


佐藤健太。同じクラスの、野球部のキャッチャー。中学時代、確か仲が良かったはずだ。2026年には——


どうなったんだっけ。


思い出せない。中学の同級生の「その後」なんて、ほとんど覚えていない。フェイスブックで見かけた気もするし、見かけなかった気もする。


「夏休み、何してた? 俺、お前んちに何回も電話したんだけど、全然出なくてさー」


「……ああ、悪い。ちょっと、いろいろあって」


「いろいろって何だよー。ゲームしようぜって言ったじゃん」


佐藤が、肩を叩いてくる。


その感触が、奇妙に遠い。


三十九歳の精神には、この「友情」が、もはや届かない。悪意はない。ただ、遠い。まるで、テレビの向こうの出来事のように。


「……ああ、今度な」


「絶対だぞー! ポケモンの新作、発売日に買うからな!」


ポケモン。金・銀。1999年11月21日発売。


あのゲームは、確かに面白かった。発売日に買って、三日三晩やり込んだ記憶がある。


でも、今の俺には、そんな時間はない。


「じゃあな、鳴海! ホームルームで!」


佐藤が、走っていく。


その背中を見送りながら、鳴海は、ポケットの中のF501iを握りしめた。


液晶が、微かに光る。


「交友関係の維持は、長期的な情報収集に有効です。推奨します」


「……うるさい」


鳴海は、校舎に向かって歩き出した。


---


放課後。


西武秩父線。鳴海は、窓際の席に座っていた。


車窓の向こうを、埼玉の風景が流れていく。田んぼ。畑。古い民家。コンビニ。また田んぼ。単調な、しかしどこか懐かしい景色。


隣の席には、誰もいない。平日の夕方、秩父方面に向かう乗客は少ない。


F501iを開く。


『現在地:飯能。到着予定時刻:18時34分。祖母宅への移動時間:徒歩12分』


「……わかってる」


『口座開設に必要な書類:本人確認書類(運転免許証または保険証)、印鑑、住民票。住民票の取得には平日の役所対応が必要です』


「婆ちゃんは、保険証と印鑑は持ってる。住民票は……明日、役所で取る」


「あなたが同行する理由は?」


「孫が急に『株を買って』なんて言っても、信用されないだろ。対面で、説明する必要がある」


『説得の成功確率を、どう見積もっていますか?』


鳴海は、窓の外を見た。


山が、近づいてきている。秩父の、あの独特の山並み。


「……婆ちゃんは、俺の言うことなら何でも聞いてくれた」


『過去形ですね』


「今も、そうだと思う」


『根拠は?』


「根拠なんかない。ただの——」


言葉が、途切れた。


勘だ。


三十九年の人生で身につけた、人を見る目。交渉の勘。相手が何を求めているか、何を恐れているか、何に弱いかを見抜く能力。


セキュリティコンサルタントとして、何百人ものクライアントと話してきた。詐欺師を見抜いたこともある。嘘つきを追い詰めたこともある。


その経験が、今、13歳の肉体の中で、静かに脈打っている。


『マスター』


「なんだ」


『私は、あなたの直感を信頼しています。27年間、それで間違ったことはありませんでした』


「……」


『ただし、一つだけ、提案があります』


「言ってみろ」


『パケット代の件ですが』


鳴海は、苦笑した。


「まだ言うか」


「言います。現在、あなたは月額3,000円のパケット代で、私との通信を制限しています。1パケット1円。1日100パケット。これでは、私の情報提供能力の0.01%も活用できていません」


「わかってる。でも、親の金だ」


『マスター』


アイリスの文字が、一瞬だけ消えた。


そして、次の文字が浮かんだ時、そこには、いつもの毒舌ではない、何か別のものが込められていた。


『1円のパケット代を惜しんで、1億円の売り時を逃すつもりですか?』


鳴海は、黙った。


正論だ。


だが、それがわかっていても、動けない自分がいる。三十九歳の合理性と、13歳の「親に迷惑をかけたくない」という感情が、奇妙にせめぎ合っている。


「あなたは、27年前の自分に戻ったのではありません。27年分の経験を持ったまま、新しい人生を始めたのです」


「……」


「その意味を、もう一度考えてください」


電車が、トンネルに入った。


窓の外が、真っ暗になる。


F501iの液晶だけが、緑色に光っている。


---


秩父。鳴海ヨシの家。


古い日本家屋の縁側に、鳴海は座っていた。


目の前には、皺だらけの顔。白髪。背中の曲がった、小柄な老婆。74歳。


「航かい。大きくなったねえ」


婆ちゃんの声は、記憶の中のままだった。


「……久しぶり、婆ちゃん」


「お母さんには、ちゃんと言ってきたのかい?」


「……うん」


嘘だ。


「そうかい、そうかい。夕飯、食べていくんだろう? 何がいい?」


「……なんでも」


「じゃあ、カレーにしようかねえ。航は、カレーが好きだったろう?」


好きだった。


今も、好きかもしれない。でも、三十九年の間に、「好き」の意味が変わってしまった。


婆ちゃんのカレーは、2026年には、もう二度と食べられない。


「……婆ちゃん」


「なんだい?」


「話が、あるんだ」


鳴海は、F501iをポケットから取り出した。


そして、深呼吸した。


「お金の、話なんだけど——」


---


午後9時。


交渉は、意外なほど簡単だった。


「つまり、航は、この『やふー』っていう会社の株が、上がると思ってるんだね」


「……うん」


「なんで、そう思うんだい?」


問いかけに、鳴海は一瞬、詰まった。


未来から来たから、なんて言えるわけがない。


「……インターネットって、これからすごく流行ると思うんだ。今は、まだ一部の人しか使ってないけど、5年後には、みんな使うようになる。そうなったら、インターネットの会社は、すごく儲かる」


「ふうん」


婆ちゃんは、首を傾げた。


「難しいねえ。婆ちゃんには、よくわからないけど……」


「……」


「でも、航がそう言うなら、そうなのかもしれないねえ」


鳴海は、息を呑んだ。


「婆ちゃん、お金、200万あるんだろ? それで——」


「いいよ」


「……え?」


「いいって言ったんだよ。航が欲しいなら、あげるよ」


婆ちゃんは、笑った。


皺だらけの顔が、くしゃっと歪む。


「どうせ、婆ちゃんが死んだら、あのお金は、お父さんと叔父さんで分けることになるんだ。どうせ、叔父さんは、またどこかで失敗するんだろうしねえ」


「……婆ちゃん」


「航にあげた方が、いいよ。航は、賢い子だから。婆ちゃんは、そう思ってるんだよ」


鳴海は、唇を噛んだ。


涙が、出そうになる。


婆ちゃん。俺は、その「賢さ」で、あんたの金を使おうとしてるんだ。


それが、正しいことなのか、わからない。


ただ、一つだけ、確かなことがある。


この200万円は、どのみち消える。


叔父の事業に消えるか、ヤフー株に化けるか。その二択だ。


「……ありがとう、婆ちゃん」


「お礼なんか、いらないよ」


婆ちゃんは、立ち上がった。


「さ、カレー、食べよう。冷めちゃうよ」


---


深夜。


婆ちゃんが寝静まった後、鳴海は、縁側に座っていた。


秩父の夜は、暗い。


街灯が少ない。星が、三郷よりもずっと、よく見える。


F501iを開く。


『交渉成功。おめでとうございます、マスター』


「……ありがとう」


『次のステップです。明日、役所で住民票を取得。その後、秩父市内の証券会社で口座開設。ヤフー株の買い注文を入れます』


「……ああ」


『何か、問題がありますか?』


鳴海は、星を見上げた。


「……婆ちゃんは、4年後に死ぬ」


「はい」


「その時、俺は17歳だ。高校生。葬式で、泣けなかった」


『記録にあります』


「今度は、泣けるかな」


アイリスは、答えなかった。


10KBのメモリには、「慰め」のアルゴリズムは、入っていないのかもしれない。


『マスター』


「なんだ」


「あなたは今、過去を変えようとしています」


「……ああ」


「それは、未来の自分の記憶をも、変えることを意味します。27年後、あなたが葬式で泣けなかったという記憶は、消えるかもしれません」


鳴海は、目を閉じた。


「……そうだな」


『それでも、続けますか?』


「続ける」


『根拠は?』


「根拠なんかない」


鳴海は、立ち上がった。


「ただ、婆ちゃんのカレーが、美味かった。それだけだ」


アイリスの画面が、一瞬だけ、揺れた。


「……了解しました」


---


1999年9月2日。午後3時47分。


秩父市内。野村證券秩父支店。


鳴海は、婆ちゃんの隣に座っていた。


目の前には、証券会社の若い営業マン。名刺には「山田」と書いてある。


「鳴海様、本日は口座開設のお申し込み、ありがとうございます。では、こちらの書類に——」


手続きは、思ったよりもスムーズだった。


婆ちゃんは、言われるがままに書類に判を押していく。住民票。本人確認書類。口座開設申込書。


そして——


「では、早速、買い付けのご注文でよろしいでしょうか?」


「はい」


鳴海が、答えた。


営業マンの山田は、一瞬、戸惑った顔をした。74歳の老婆ではなく、13歳の少年が答えたからだ。


「あの、こちらは……」


「孫です」婆ちゃんが、笑った。「航が、いろいろ教えてくれるんですよ。婆ちゃんは、よくわからないから」


「あ、そうですか……」


山田は、曖昧に頷いた。


2026年なら、こんなことは許されないだろう。コンプライアンス。適合性原則。高齢者への勧誘規制。しかし、1999年には、そんなものは、まだない。


「では、銘柄は……」


『ヤフー株』


鳴海は、はっきりと言った。


「4689。1株。指値で、154万円」


「……ヤフー、ですか」


山田の顔に、微かな驚きが走った。


「今、話題の銘柄ですね。確かに、上がってはいますが……正直、ここからさらに上がるかどうかは……」


「買います」


「……わかりました」


山田は、発注端末に向かった。


鳴海の隣で、F501iが、微かに振動した。


画面を、チラリと見る。


『執行準備完了』


山田が、キーボードを叩く。


カタカタカタ。カタカタカタ。


そして——


「発注、完了しました」


画面に、約定の文字が浮かぶ。


ヤフー(4689) 1株 154万円 約定


鳴海は、深く息を吐いた。


F501iの画面に、アイリスの文字が浮かぶ。


『執行完了。おめでとうございます、マスター』


『これが、最初の1歩です。あと、約108倍』


婆ちゃんが、不思議そうな顔で、鳴海を見た。


「航、嬉しそうだねえ」


「……うん」


嬉しい、のだろうか。


わからない。


ただ、確かなことが一つある。


今、この瞬間、1999年の歴史が、少しだけ、変わった。


窓の外では、秩父の山々が、夕日に照らされて赤く染まっていた。


---


帰りの電車の中。


F501iを開く。


『マスター。一つ、報告があります』


「なんだ」


『パケット代が、上限に達しました』


「……は?」


『本日の通信量:2,847パケット。料金:2,847円。残高:153円』


鳴海は、頭を抱えた。


「お前、もっと早く言えよ……」


『言いました。あなたが無視しただけです』


「……」


『明日から月末まで、私との通信は、最小限に制限されます。ご了承ください』


アイリスの文字が、どこか楽しそうに見えた。


『1円のパケット代を惜しんで、1億円の売り時を逃すつもりですか?——と、言いましたよね』


「……うるさい」


鳴海は、F501iを閉じた。


しかし、口元には、微かな笑みが浮かんでいた。


窓の外を、埼玉の夜景が流れていく。


1999年の、暗い夜景。


まだ、スマートフォンの光はない。


まだ、SNSの喧騒はない。


ただ、古い街灯と、車のヘッドライトと、時々見える民家の窓明かりだけが、闇の中に点在している。


これが、俺の——俺たちの、始まりだ。


F501iが、ポケットの中で、微かに光った。


アイリスの最後のメッセージが、画面に浮かんでいた。


『次のボトルネック:資金の拡大。現在の資産154万円を、2000年2月までに最大化します。詳細は、パケット代が回復次第。おやすみなさい、マスター』


鳴海は、目を閉じた。


電車の揺れが、心地よかった。


1999年の、長い夜が、始まろうとしていた。

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