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出会い

エスピトラがスランプ気味でして・・・・・。


「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」


息を切らしつつも、足と脇腹に痛みを感じつつも。

このあたし“宵駆(よいく)レミィ“は走り続けていた。


なぜなら。

「ヤバいぃぃぃ!!遅刻するぅぅぅ!!!」

遅刻、しそうだったから。


いや、遅刻しそうになってるのアイツのせいだからね!

あたしのルームメイトの(かすみ)

アイツが起こさなかったらからだよ!ったくもう!


はぁ。今朝のこともだけど、あの子って色々ミスが多いんだよねぇ。

本当にどんくさい子だし。

なんでケンカっ早いあたしと同じ部屋にしたのよ。おかげで毎日、泣かせちゃうし・・・・・。


って。今はそんなことどうでもいい!!

とにかく間に合わせないと―――


最後の角を曲がった。

(やった!これで学校に着いたも同然―――)


だけど。

体に突然、衝撃が走って―――


(あれ・・・・・・)

次の瞬間、あたしは空を見上げてた。


何が起きたのか全く分からなかった。

周りの音が聞こえづらいし、意識もなくなりそう。

体は―――動かせない。

起きようとしても、力が入らない。


色んな人が周りにいて叫んだり、声かけてきたりしてるみたいだけど、よく聞こえない。


あたしの顔を覗きこむ人もいる。こっちはあんたらがどんな顔してるかは分からないけど。


そうやって。周りに溢れる情報を力を振り絞って集めても、何も分からない。


(何?何が起きてるの・・・・・?)

もうパニック。

でもその間も目の前は暗くなっていく。


あたしが最後に見たもの。それは―――


「美しい・・・・・・」


倒れているあたしを見下ろす、一人の男。

なぜかそいつは頬を赤く染めていた。


ふざけんなよ、クソが。


最期に奴への怒りを感じて、あたしの意識は切れた。


  △   △   △



「ん・・・・・・?」

目が覚めると、あたしは教室にいた。

腕を枕に横向いて眠っていたみたい。


じゃあさっきのは夢―――?


「いい度胸じゃねぇか〜?宵駆ぅ」

正面を見ると男がいた。

右眉をヒクヒク痙攣させながら話しかけてきた男。


こいつは剛沢(こうさわ)。クラスの担任。

生徒に厳しい体育教師で、生徒課。

遅刻、校則違反は特に厳しい。

まぁ、あたしはどっちもやってんだけどさ。


「今日も遅刻した上に、着いたらおやすみかよ。お前、覚悟できてんだろうなぁ?」

怒りのあまりもはや口は笑っている。


「いつもいつも、そのピアスもやめろって言ってんのによぉ!注意したら聞くどころか、お前は反抗してくるしなぁ!ピアスだけじゃねぇ、スカート丈短くするし、髪色―――は仕方ないが。仕方ないけど!とにかくお前は校則守って、遅刻なくせぇぇぇ!!」


あたしは日本とイギリスのハーフで、生まれつき金髪碧眼。

髪型はいつもハーフアップツインテにしてる。

耳には銀の三角形のピアス。

スカート丈も短くしてるし、禁止されてる腕まくりもやる。

完全に、こういう教師を敵にまわしてる生徒。


急に声を張り上げやがった。

やっぱりウザいしうるさい、この教師。

「うっせーよ。とりあえず黙れ」

この素直な気持ちを伝えると。

奴の怒りの叫びが教室に響いた。

朝はそんな最悪なホームルームになっちゃった。


   △   △   △


「レミィちゃんさ、少しは先生の言うこと聞いたら?」

一限と二限の間の休み時間。右隣の席の涼波(すずなみ)が話しかけてきた。


こいつはムカつく優等生の一人。

『一人』ここ重要!このクラスにはムカつく優等生が何人もいる。


涼波は爽やかなイケメンで、クラスの女子に人気。

いつでも涼しい顔して、どんな難題も平然と解いてみせる。

校則もキチッと守って、誰にも優しく接する“The優等生“。

あたしみたいな「ヤンキー」って呼ばれる生徒にも、気軽に話しかけるほど。

こんな所がなんか気に入らない。


「別にあんたには関係ないでしょ」

「いつも隣の席の子が怒られるの見て、心配にならない訳ないよ。それにさ―――」

涼波があたしの顔に手を近づけてきた。


「―――っ!やめろよ!」

何をするのか、すぐに分かった。

させまいとその手を払いのける。


「その前髪切ったら?見えないじゃん」

「うるさい」

あたしは涼波から顔を背ける。

その涼波は眉をひそめて、あたしの顔の右側を見つめる。

目を完全に覆うほど伸びた前髪を、見つめている。


あたしは顔の右側を前髪で隠している。

理由は―――知られたくない。

今朝、剛沢がそのことを指摘しなかったのは、()()を知ってるから。

なぜそこだけ配慮できるのか、あいつの脳の作りは全く理解できない。


その後、涼波が話しかけてくることはなかった。


  △   △   △


「宵駆さん」

三限目は美術。

移動教室だから歩いてたら、また誰かに話しかけられた。

「何?」

「その。スカート、短すぎます」

そこにいたのは、カチャリと眼鏡を正す男子生徒。


あ。こいつか。

こいつは角山(かくやま)。小学校から一緒で、いわゆる腐れ縁ってやつ。

こいつもムカつく優等生。

周りに敬語使って、しっかりした真面目キャラで生きてる“優等生of優等生“ってとこかな。

それでいてチビ。クラスの男子の中で一番背が低い。

移動教室の合間とか、登下校中とか。いつも教室以外で話しかけてくる、謎の奴。


「そう?皆やってることじゃない?」

「なっ―――!?」

今の返しが想定外だったのか、口をわなわなと震わせてる。

いや、思いつくでしょ。この返しくらい。

「“皆がやってるなら自分もいいだろう“って。子供みたいなそんな言い訳、通用しませんよ!」

ビシッて効果音が出そうな感じで指さしてきた、こいつ。


ま、別にどうでもいいし。時間ないし。

「あんたには関係ないでしょ。それより早くしないとチャイム鳴るよ?」

「わ、分かってますよ!僕はあなたより時間を厳守して生きてますからね!」

慌てて移動し始めた。


ったく。何でこんな時間ない時に話しかけてくるんだか。

同じクラスなんだから教室にいる時に話せばいいのに。

まぁ、別にどうでもいいけど。

走ってチャイムが鳴る前に、美術室に着くことができた。


  △  △  △


今日も退屈な学校が終わった。

「う〜ん・・・・・・はあ」

背伸びして、思いっきり息を吐く。

気分が少しだけ、スッキリした。


帰ったら宿題やんなきゃいけないのか。ダルぅ。

ったく。何でこの高校は毎日宿題出すんだか。

小学校じゃないでしょうが。

「宵駆さん」

あー。そういや霞にまた今朝怒っちゃった。

帰ったら謝らないと。

「宵駆さーん?」

今日の夕食何だろ?ピーマン入ってたらヤダなぁ。

あたし、15だけどピーマン苦手なんだよねー。

いやだって!あれ苦すぎるもん。野菜って認定して食べていいの?ほんとに。

「宵駆レミィさん!」


「ひゃあ!?何急に。びっくりすんじゃん」

驚いて振り返った。

するとそこにいたのは―――

「こんにちは。はじめまして。(わたくし)、疫病神と申します」

男だった。

丁寧にお辞儀してきたそいつを見る。


肌は白くて痩せ細ってるし、目は黄色くて充血してる。

髪はオールバックみたいだけど、なんか荒れてる。

年齢は―――40歳くらい?

黒スーツに赤シャツ。紫ネクタイ。

ちょっと特殊な服装のサラリーマンって感じ。

あとこいつさっき、自分のこと疫病神って言った?

だったら近づいてほしくないんだけど。


「とっとと去れよ疫病神」

「いきなり酷くないですか。クックック」

「キモ。死ね」

「まぁまぁ。なんて口の悪い()だ。クックッ」

何こいつほんとキモい。罵られてるのに笑ってる。

それに笑い方も「クックック」って。

キモすぎる―――。


「あたしに関わらないでくれる?」

「それはできないお願いです」

「何でよ。あんたが回れ右して、いなくなればいい話でしょ」

「いえいえ。なぜなら、レミィさんと私は契約未完状態にありますから」


「は・・・・・・?」

契約未完状態?

契約はするけど、まだ完成じゃないってこと?

こいつと?いつ?どこで?そんなことを?

頭に(ハテナ)が溢れて止まんない。

あたしが固まってると疫病神はコホンと、咳払いを一つした。


「順を追って説明しましょう。まずレミィさん、あなたは一度死んでます」

「はあ・・・・・?」

いや、いきなり何言ってんのこいつ。

死んでたら今ここにいないっての。


あれ。でも、今朝学校で見た夢では。

あたしは車に轢かれた―――

え?じゃああれは夢じゃなかったってこと?


「あなたは轢死したんですよ一度。けれど、私の能力で()()()()()()()()ために、今ここにいるのです」

疫病神はクックックとまた気味の悪い笑い方をした。


「ウソ、でしょ・・・・・・」

自分が一回死んでる?

そんなの信じられない。

でも。

あの時見た夢はリアルで生々しくて。

本当に体が吹っ飛んだ気もした。

それを思い出すと、奴の言ってることが真実に思えて―――

衝撃のあまり、膝から崩れおちた。


「それでですね。私が能力を使った人間は()()()()をしなければならないのですよ」

「あること?」


「悪魔狩りです」


「悪魔狩り・・・・・・?」

悪魔がいるっての?この現実の世界に。

そんなものも到底信じられない。

「その顔。悪魔の存在を信じていませんね」

疫病神はあたしに背を向けて歩き出した。

「ちょっと。どこ行くんだよ」

「ついてきてください。悪魔の存在を証明しましょう」


悪魔の存在を証明?そんなものできるわけない。

あたしはまだ、悪魔のことも一度死んだってことも信じてない。

(やれるものなら、やってみろよ―――!)

そんなケンカ腰の気持ちで疫病神に付いて行った。

気まぐれで書いたもので、完結しないかもしれません。


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