第50話 誰が1番好みなんだ?
「ただ……問題は……」
「あ……そうですよね……やはり問題が……有るのですね?」
一瞬、顔を曇らせるアリエル。
「そうなんだ……問題は…………
魔族達が、俺達の結婚を、許してくれるかだな?」
「……はい?……」
「大問題……そうだろ?……魔族達は皆んな、アリエルの事、慕って、
めちゃくちゃ愛しているからな……」
「……私は……私は貴方の事を……誰よりも……愛しています……」
お互いの視線が重なり、やがて自然に唇が重なる……
時間が、優しく……そして、ゆっくりと流れた。
「えっ?本当?やるじゃんレオ!グッジョブ!
貴方、恋愛に関しては、超ヘタレだから、
スフィアの時みたいに、時間掛かると思ったのよ?」
「だってさ、世界樹の精霊が言うんだよ。急げって……
この後、もたもたしてると、それどころじゃなくなるかも?ってさ……
今を逃すと、ずっと先送りになるって……
あんまり長くアリエルを待たせたら可哀想だって」
「何か面倒事でも起きるのかしら?なんか不安ね……
レオは、世界樹の精霊から、何か聞いてる?」
「何も……世界樹の精霊にも、具体的な事は、分からないらしいよ。
世界樹は、大きな歴史の流れ……と言うか、
時の流れを感じ取る事が出来る……それだけらしい」
「ま、これで貴方は、魔族達から、アリエルちゃんを、l奪い取った極悪人認定ね」
「奪ってね〜し……そもそも、お前達が、言い出した事じゃないか……
それに俺は、極悪人でもね〜!」
「そう魔族にも、分かって貰えれば良いんだけどね〜」
「アリエルは、魔族達から愛されてるからな……顔も性格も可愛いけど……
何であんなに、皆んなから可愛がられるのかな?不思議」
「何言ってるの?顔も性格も可愛いからに決まってるじゃない。
そのままでしょ?何も不思議じゃないわよ?」
「そうですよ。アリエルちゃん、本当にいい子ですもの。
貴方も分かっているのでしょう?
私との結婚話の時は、あんなに、頑なに拒否していたのに、
すんなり納得して……少し妬けます」
「いや、特別アリエルが……ってのはないんだよな。本当だぞ?
3人共、皆んな同じ位、大好きだし……」
「えっ本当か?俺から見ても、アリエルちゃんの事、
誰よりも可愛がってる様な気がするけど?」
「何言ってんだよ、テイラー。アリエルだけ、年下で幼かったから、
可愛い妹って感じで、可愛がってただけだぞ。
何しろ、最初会った頃なんか、喋り方も幼くて……
恋愛対象になるなんて、思ってもみなかったな」
「なあレオ、そんじゃあ聞くけど……ぶっちゃけ、容姿は?性格は?誰が1番好みなんだ?」
横で、しれっと、話を聞いていたテイラーが、口を挟んできた。
「容姿?そうだな……ん〜ん……ティアナは可愛い系美人?
スフィアは美人で可愛い……
アリエルは……可愛い系可愛い……」
「ハハハ……何だそれ?でも、上手い事、表現してるかもな?」
「まあ、俺が3人の順番を付けるのは不可能だな」
「マリエル」
「あ、レオナルドさん。いらっしゃい」
「どうだった?皆んなから反対は、されなかったか?」
「はい、全員一致で、了承してもらえました」
「へ〜。〝まだ早い〟……とか、〝人間に〜〟とか、
色々言われるかと思ったけどな?」
「思った以上に、レオナルドさんは、魔族にも認められていたんですね。
マナを供給してくれた件とか、地上迄引いてくれた鉄道の件とか……
魔族が街を占領した時も、レオナルドさんは、1人も殺さなかった……
皆んな貴方の事は、信用してますからね。
子供を魔王にって言う、ティアナさんの提案も、効いたみたいですよ?」
「そっか。じゃあ、話を進めていいよな?」
「はい、お願いします」
「でさ、マリエルの希望を聞きたいんだけど……」
「はい?……何の希望ですか?」
「少し時間は掛かるけど、ティアナ達との結婚式の様に、盛大にやるか、
親しい人だけ呼んで、直ぐにでも式をあげるか、どっちが良い?」
顔を少し赤らめるマリエル。
「なるべく早く、貴方の元に嫁ぎたいです……
世界樹の精霊さんの、〝早くしなさい〟と言うのも気になりますし……」
「うん、わかった。じゃあ、1ヶ月後、王都の教会で……それで良いか?」
「はい、それでお願いします……1ヶ月ですら、待ち遠しいです……」
「アリエルは、多分そう言うだろうからって、
ティアナ達が、もう既に準備を始めているんだ。
用事が無ければ、今から打ち合わせの為に、
ティアナ達の所に、連れて行きたいんだけど……どう?」
「はい、分かりました。大丈夫です」
「あ、そうそう、ゲルドさんは、今どこに?」
「城の執務室かと……ゲルドに何か?」
「ああ、結婚式の打ち合わせ」
「では私も……」
「アリエルは、ティアナ達が待ってるから、俺の王城に転移で連れてくよ?
送った後で、俺は又戻って、ゲルドを訪ねてみるよ」
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