第48話 あ……ダメなやつだ……これ……
「ごめんね。マリエルちゃん……あいつ鈍くて……レオの事、本気なんでしょ?」
「……いえ、そんな……私は、魔族で……種族も違いますし……」
「あら、人間と魔族の混血もいるって聞くわよ?
何の問題も、ないんじゃない?」
「……確かに……混血はいますね?……でも……」
「魔王って言っても、マリエルちゃん女の子だし、
角があるのは、男の人だけなんでしょ?
マリエルちゃん、どこから見ても、人と区別つかないわよ?
とっても可愛い女の子って感じ。レオには、勿体無い位よ」
「そうよね?レオも、マリエルちゃんの事、可愛くて仕方ないみたいだし……
私達も応援するから、頑張ってね?」
「応援?……お2人は、それで良いんですか?」
「もちろんよ。2人でずっと言ってたの、
マリエルちゃんみたいな、可愛い妹が欲しいって」
「そうよ?応援するからね?レオは分かってないかもしれないけど、
レオのお嫁さんは、私達2人で済むわけないって思ってるの」
「そう、まだまだオースティンは大きくなると思うのよ。
それに、マリエルちゃんが、お嫁に来てくれたら、
魔族とも、絆が深まるだろうし……ね?」
「でも、魔族領から、私がいなくなれば、魔王不在に……」
「昼間だけ、魔族領に行って、執務をしたら?」
「昼間だけですか?」
「そう、レオの転移魔法があるじゃない?
毎日、送り迎えしてもらったら?」
「あら、毎日じゃなくても良いんじゃない?
元々、アリエルちゃんが、小さかった頃、
ゲルドさんて人が、殆どの執務をこなしてたんでしょ?
最初は、いきなりナイフ投げつけるし……
まだ幼い、アリエルちゃんを、陰で操ろうとしている悪い奴だと思ったけど、
案外、いい奴だったって、レオが言ってたわ」
「今でも、ほとんど、執務はゲルドに、任せっぱなしで……」
「だったら、問題ないじゃない……
そしていつか、貴方達の子が、魔王になれば良いのよ」
「……そう……ですかね?……色々考えて頂き、ありがとうございます……」
「……もう直ぐ夜よね……」
「うん……夜になるわね……」
「……初夜ってどうする?」
「それよね……じゃんけんする?今夜はスフィアでもいいけど……」
「……心の準備が……私は婚約したのが早かったティアナが先でいいと思うの……」
「ああ……私だって……
でもレオ、オッパイが4つ…っとか言ってたわよ?
もしかして3人一緒のつもりじゃない?」
「う〜ん……ティアナに見られてるのはな〜……見てるのもなんだし……」
「やっぱ、じゃんけんね?で、明日からは順番と言う事で……」
明日,明後日と、建国の義、即位の義が行われるのに、
今夜の事が、気になって仕方ない2人だった。
「もう昼間なのに、今日は月が綺麗に見えるな……
でも……やばっ……全部オッパイに見える……
流石にちょっと張り切りすぎたかも……」
「レオ、どうした?疲れた顔をして。お前、昨夜は、ちゃんと寝たのか?
今日は、お前の即位の儀があるんだぞ?
民の前に立つのだから、シャキッとしろよ。
あ、さてはお前、昨夜、頑張りすぎたんじゃないのか?」
「アハ……アハ……アハ……」
「あ……ダメなやつだ……これ……」
「レオナルド陛下。そろそろお時間です。民が待ちかねております。
城の大バルコニーまでお願いいたします」
「了解!」
両手で、顔を〝バシッ!〟と、叩き、気合いを入れるレオナルド。
〝カツカツカツカツ……〟
力強い足音を響かせ、太陽の日差しが掛かるバルコニーまで歩く。
外が見えそうな場所まで来ると……
〝〝〝〝〝〝ワァァァァァ〜〜〜〜‼︎‼︎‼︎‼︎〟〟〟〟〟〟
地響きの様な大歓声が上がった。
その声に驚き、慌てて、元来た道を戻ろうとするレオナルド。
「な、何?あの大群衆……招待客以外に何故こんなに人が?
この街、未だそんなに人住んでないよね?」
「大賢者様の索敵によると50万人はくだらないと、その様に仰っていました……」
「なんでそんなに集まった?全国民の20人に1人?どこから来たんだ?そんな人数……」
「鉄道は、1週間前から運行が始まっておりますから……
数日前から、街は人で溢れておりましたよ?」
「夜はどうしてるんだろ?もしかして野宿?ホテルは未だそれほど稼働してないよな?」
「どうでしょうか?毎夜、あちこちで、大宴会が開かれていて、
警備が大変だと、テイラーさんが嘆いておられましたけど?」
「女性も居るのに、大丈夫かな……」
「レオ!もう、いいからビビってないで、さっさと行って挨拶なさいよ?」
「ビビってね〜し……ちょっとだけ驚いただけだし……」
レオナルドの姿が、バルコニーに見えると、
一際大きな歓声が上がった。
〝〝〝〝〝〝ワァァァァァ〜〜〜〜‼︎‼︎‼︎‼︎〟〟〟〟〟〟
こんな大勢の前に立ったのは初めてのレオナルド。
心を落ち着かせる様に〝フゥ〜……〟息を一度、全部吐き出した。
「我が名はレオナルド・ダ・オースティン!
オースティン帝国のオースティン村で生まれたレオナルド。
今日この時から、初代オースティン連合国の王となる!
産まれ持って授かったこの力。
持てる力の全てをかけて、この国と民に尽くす事を誓おう!」
〝〝〝〝〝〝ワァァァァァ〜〜〜〜‼︎‼︎‼︎‼︎〟〟〟〟〟〟
今日1番の大きな歓声が、いつまでも絶え間なく続いた。
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