第45話 我が名はレオナルド・ダ・オースティン
「それでは長らくお待たせいたしました〜!
いよいよ、決勝戦……剣神様の登場で〜す!」
〝ワァァァァァ〜〜〜〜〜〜‼︎‼︎〟
「おい、剣神様の孫。そろそろ始まるみたいだぞ?」
「俺の名前はレオナルド。〝剣神様の孫〟じゃなくて、〝レオ〟って呼んでくれ」
「ああ、分かった。レオ君」
〝ワァァァァァ〜〜〜〜〜〜‼︎‼︎〟
「お?出て来た……じんちゃんだ……本当にここに居たんだ。
あれ?じいちゃん……なんかふらついてないか?」
「あの卑怯者ども……どうせ何か薬でも使ったんじゃないか?
レオ君、どうするんだ?」
「ん?連れて帰るよ?」
「この、敵だらけの中で、ふらついている剣神様を、どうやって……」
「……問題ない……ここまで協力してくれてありがとう。
じゃあ、またいつか会おう」
「じいちゃん……」
「あ……レオ……なんで……ここに……」
「じいちゃんどうしたの?変だよ?薬でも飲まされた?
先ずはその状態異常を直すよ?……〝ディスベル〟」
サウザーの身体が光だし、焦点が合っていなかった瞳が、
しっかり前を見据えられる様になった。
「さ、いつまでもこんな所にいても仕方ない……
ばあちゃんも、メチャ心配してるから帰ろ?魔法で転移するよ」
「ま、待て。レオ。この国を……このままにしてはおけない……
わしの同族が苦しんでいるのに、自分だけ……
それに、昔の事とは言え、わしもこの国の元王族……
責任もある……このまま帰るわけにはいかん……レオ、手伝ってくれんか?」
「そんじゃあ、暴れちゃう?国の重鎮が集合してるみたいだし。
腐った奴らを一掃するチャンスではあるね?
じいちゃんと、俺で、この国、掃除しようか?」
「いや……いくらレオが手伝ってくれるとは言え、わしら2人では……」
「じいちゃん……じいちゃんもだけど……
皆は、ここの事、修羅の国って言うけど……
こいつら言うほど強くないよ?
昨日ちょっと入国審査所の兵と戦ったけど、
それこそ楽勝……瞬殺だったよ?手応えなさ過ぎ……」
「……もう戦ったのか?強くない?まさか……」
「この国の人達、毎日の様に戦いに明け暮れてるらしいけど、
外を知らずに、まるで井戸の中のカワズだよ?
鎖国して自国に籠ってばかりだから、
奴らの剣技、格闘技は、実戦では役に立たないものになっちゃてるんじゃないかな?
こんな100人、うちのカインでも楽勝だよ」
「本当か?だとしてもレオ……
実は、一緒にこの国へ来た連中が、人質に取られておって……」
「ああ、ダグラスの人達?偶々だけど……
さっき拘束されていたのを見つけたから、もうダグラスに転移させたよ?」
「…………本当か?」
「暴れて良い?」
「嬉しそうじゃな……」
「貴様、どこから入ってきた?コソコソ何をやってる?剣神サウザーから離れよ」
「お断り〜俺暴れるよ?止められるなら止めてみな?
あっ、剣神様も戦うよ?はい、じいちゃんの剣」
「どこでこれを?」
「じいちゃんに渡してあった、通信機の魔力を追って、
じいちゃんを探したら、これと剣を見つけたんだ。
そこには、じいちゃん居なかったけどね……
持たされてるその剣、酷くない?2〜3回剣を合わせたら折れちゃいそうだよ?
じいちゃんに、わざわざそんな剣持たせるなんて、
どんだけ自信がないのかって話だよね。
薄々、自分達の実力が分かっているのかも……」
レオナルドが動く。その身体は、誰の目でも追うことは出来ない。
もはや稲妻の様な、ジグザクな光の線にしか見えなかった。
セラベアの戦士は、何をされたかも分からないうちに倒されていった。
圧倒的だった。稲妻の様な光は、最後にバルコニー席に届く。
そしてレオナルドは、王の首に剣を突きつけた。
「お前が、セラベアの王か?
俺は剣神サウザーの孫。名はレオナルド・ダ・オースティン。
オースティン帝国の、オースティン村で生まれたレオナルド。
初代オースティン連合国の王だ」
「オースティン連合国?そんな国は……」
「……3国が一つに纏まり間も無く出来る国だ……
オースティン連合国は、セラベア……この国を認めない。
今直ぐに、お前達はこの国の政治から身を引け……
この国は、あそこで抗議していたグランド男爵を中心に、建て直す。
嫌だと言うなら、今ここで、お前を殺す……そこのお前達もだ」
「ふざけるな!この国はわしのもの。
全ての民は、わしの為だけに生きれば良いのだ。
お前如きにこのわしが……」
〝ゴトッ……〟
最後まで言う前に、首が落ちた。
「お前達も、愚かな男の後に続くか?」
地を這う様な低い声でレオナルドが言う。
腰を抜かし、首を横に振る、貴族の面々。
「そうか……」
バルコニー席の1番前まで進むレオナルド。
コロシアムの隅々まで通る声で告げる。
「我が名はレオナルド・ダ・オースティン!
オースティン帝国のオースティン村で生まれたレオナルド。
剣神サウザーの孫にして、間も無く3国を統合したオースティン連合国。
その初代の王である!
昨日からこの国を見てきたが、呆れるばかりの悪政。
王は民を、自分の肥やし程度にしか思っていない。
そして今、その愚王は俺の手で倒された!
今こそ、国を変える時。そこに居るグランド男爵を中心に立ち上がれ!
さあ、立ち上がる者は声をあげよ!
このレオナルド・オースティンが、後ろ盾になる事を約束しよう!」
〝〝〝〝〝〝〝〝ウォォォォォ〜〜〜〜‼︎‼︎‼︎‼︎〟〟〟〟〟〟〟〟
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